慢性疲労

 

慢性疲労-いくら寝ていても疲れがとれないとき

いくら寝ても疲れがとれないのは、副腎疲労が原因かもしれません。

副腎とは腎臓の上にある臓器で、〝元気の素〟であるコルチゾールというホルモンを分泌します。このコルチゾールは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などに働きかけます。

コルチゾールは、最も多く分泌されるのは早朝で、朝元気に起きられるのはこのホルモンのおかげであります。分泌量は昼にかけてなだらかに減少します。その量が下がれば、夜にぐっすりと眠ることができます。

コルチゾールが分泌されなくなりますと、やる気がなくなり、疲れが慢性化して、常にバテた状態になります。

コルチゾールの分泌減少の主な原因として、休息不足(頑張り過ぎ)、過剰なストレス(イライラ)、密なスケジュール(忙しすぎ)、腸内環境の悪化です。

とくに、副腎疲労は腸内環境が関係します。脂や糖分の摂り過ぎなどの不摂生で、腸内環境が悪化し、常に悪玉菌に腸を傷つけられると、腸壁に炎症が起こります。その炎症を止めるためにコルチゾールを使用しなければいけなく、ストレスなどが相まうと、その結果24時間365日、コルチゾールを放出し続けると、副腎疲労から分泌量が減り、やる気を出したり、元気になったりすることにホルモンを使用できなくなります。

副腎疲労の症状には

・寝ていても疲れがとれない
・朝起きられない
・会社、学校に行くのがおっくう
・やる気が出ない
・何もないのに悲しい
・立っているのもつらい
・便秘がひどくなる
・よく下痢をする
・休日は何もしたくない
・首や背中、腰が痛い
・すぐにスタミナが切れる
・記憶力が低下した
・仕事などのミスが増えた
・運動するのがめんどくさい
・無性に甘いものやコーヒー、しょっぱいものが欲しくなる
・性欲がない
・好きなことに興味が無くなった
・ささいなことでキレる

などがあります。上記で5つ以上当てはまれば副腎疲労の可能性があります。

東洋医学は、生まれながらに人間に備わっている生命力の宿るところを腎の臓であると考え、この腎の臓は現代医学でいえば副腎にあたります。

腎に邪気の注ぐところが腎兪というツボで、もしこのツボにしこりや痛みがあるようならば、副腎疲労である可能性があります。

腎兪のツボに反応がある場合は、精力が減退し、足がむくみ、血圧が高くなるなどの症状の現れます。女性なら生理不順、腰痛、足が冷えるといった症状もあらわれます。

腎の働きを高めることができれば、副腎疲労を取り去り、全内臓が刺激され、生命力が鼓舞されて、一身が強健になります。

鍼灸治療は腎の働きを高めることができます。