うつ病

うつ病

いつも頭が重く、何となく憂鬱で気力がない、仕事ができないほどではないが気分が乗らない、ちょっとしたでイライラする、といった症状で悩む人が非常に多くなっています。

症状が進んでくると、憂鬱の度を越して、絶望感や悲哀感のとりことなり、一日中ぼんやりするようになります。それに不眠、悪夢、瘦せる、便秘などのような身体症状が加わり、毎日の生活感情もどんよりしたものになります。

これはうつ病の典型的なパターンであります。ここで注意が必要なのは、ノイローゼとうつ病は違うということです。ノイローゼは決して死にたいとは考えず、生きたい、またはよりよく生きたいためにいろいろな症状、苦悩を訴えるのであります。うつ病では死ぬことも美しく見えるようになり、死への恐怖がなくなり、自殺を企てることさえあります。

自殺を企てるほど重症な場合は、専門医の診察と指導を受けなければいけませんが、気分がすぐれない、頭の中がごちゃごちゃして考えがまとまらないといった軽い程度の場合は、ツボ療法も効果があります。

軽いうつ病では、気分がすぐれないといった精神症状と一緒に、口が乾く、食欲がない、便秘、体がだるいなどの自律神経症状を訴えます。こうした精神症状について、東洋医学では「気」のめぐりに滞りがあります。つまりエネルギーがうまく循環しなくなったため生じると考えます。したがって、滞りのある点を見つけ、その経路の流れをよくしてやることが治療法にになるわけであります。

その判断の対象としては、①体のあちこちを押してみて痛みのあるところ(圧痛点)、②ツボの体温が異常に高い、または低い、③触診してみて、筋線維の中に硬く触れるところがある、といった点を目安にします。

治療法としては、前記のような異常がみられる点に対して、指圧や鍼、灸、低周波の刺激器などで刺激を与えます。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

うつ病の異常は、機能面を含んだ循環器系の中に出てくることが多く、特に顔の真ん中から胸、腹を通る任脈と、尻から背中、首、後頭部、顔まで走る督脉の経路に反応が出やすいです。

ツボ名を挙げますと、「膻中」、「鳩尾」、「巨闕」、「中脘」、「関元」、「百会」、「心兪」、「膈兪」、「脾兪」、「腎兪」といったところです。

また、経路の異常を見つけるコツとして、体の背面12カ所の兪穴に刺激を与えて、痛みを感じたり、しこりやコリがあったり、する反応があれば、そのツボ中心に刺激を与えます。その中でも“気”をめぐらすのに重要な働きをするのが、「心兪」、「脾兪」、「腎兪」などであります。

腕では「内関」、足では「足三里」、「三陰交」、「湧泉」などがポイントになります。

◆治療法

ツボ絵の刺激は、指圧や低周波の刺激器、そして、鍼灸治療が有効であります。

鍼灸治療は、前記のツボや反応のある点などを選んで行いますが、灸の場合は、1ヶ所に3~5壮、米粒大または判明粒大のもぐさをすえるといいでしょう。

指圧の場合は、指先を立てて刺激する刺鍼法が効果的であります。特に、背中の「膈兪」とみぞおちの「鳩尾」の刺激は、うつ病に特徴的な不眠を治し、熟睡させる効果があります。むろん、普通のマッサージや指圧でも有効です。

生体に直接電流を通じて刺激する治療法である低周波療法も、うつ症状に悩む人には大変効果的であります。

〇メモ

長い期間のうつ病、神経衰弱には太極療法(全身治療)がすすめられます。太極療法とは、同じツボに、長時間かけて鍼や灸の刺激を与えて、全身の改善をはかるものであります。

うつ病や神経衰弱などは、出てくる症状は様々に変化します。これらの症状一つ一つにツボ療法を行ってもゲリラ退治と一緒で、一つの症状が改善しても。また別の症状があらわれて、始末に終えません。その場合、より根本的な治療効果をねらうのが太極療法であります。

狙うツボは、「心兪」、「胃兪」、「腎兪」、「膻中」、「中脘」、「大巨」であります。これらのツボを刺激するのですが、いったん選んだツボは変更せずに3週間くらい続けて治療をします。