てんかん

てんかんは、西洋では「悪魔の病気」などと呼ばれて恐れられてきましたが、近年では治療法が進んで全治することも珍しくなくなってきています。しかし、やはり難しい病気であることは、現在もかわりありません。

てんかんには、発作の症状と、発作以外の性格障害などがあります。てんかんの発作で最も多い型は、意識を失って倒れ、最初に手足を突っ張る強直性けいれんがみられて、次いで手足がガタガタふるわせる間代性けいれんが起こり、やがてけいれんが止んで、その後数分いびきをかいて寝る型であります。意識がはっきりするのに、10分以上かかります。また、意識がなくなる直前に、目がちらちらしたり、手足がしびれたりする前兆があって、発作が起こりそうだと本人が感じる場合もあります。

てんかんは大別すると、真性てんかんと症候性てんかんの二つに分けられます。

真性てんかんはその名の通り、本当のてんかんという意味で、その原因や、頭の中の諸機能の変化がはっきりしないものをいいます。

症候性てんかんは、脳の外傷、腫瘍、炎症、あるいは中毒、血管変性などによって、器質的な病変が原因となって引き起こされるものをいいます。

真性てんかんは、発病に遺伝的素因が絡んでいるともいわれますが、それについても、十分詳細は明らかにされていません。また、比較的軽度の環境変化や刺激で容易にけいれん発作を起こしてしますような素因を持った人が、何らかの原因によっててんかんを起こすことも多いといわれています。

誘因としては、食べ過ぎ、飲みすぎ、疲れすぎなど、なんでも平常と異なった生活が発作の誘因となるとされ、とくに飲酒をすると、覚めてから発作を起こしやすく、また、睡眠不足も大きな要素になります。

いずれの型の場合も、脳波に特有の波形があらわれるため、病気の診断は確実に行われます。特有の波形は、発作時以外の正常時にもはっきりしています。

真性のものは児童期に始まるものが多く、この場合は予後が良いようであります。また、遅くとも20歳以前に最初の発作が起こるのが普通であります。20歳以後、ことに中年以降にあらわれるものはほとんどが、脳の循環障害や脳腫瘍による症候性のものであります。

このうち真性てんかんは、ツボを使った治療法によって発作の回数を減らし、発作時間を短くすることができます。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

頭  「百会」、「前頂」、「後頂」
後ろ首 「天柱」、「風池」
背中 「肺兪」、「心兪」
腰  「三焦兪」、「腎兪」
腹部 「中脘」、「大巨」
手  「曲池」
足  「足三里」、「三陰交」

などがポイントになります。

◆治療法

東洋医学では、てんかんの癲(てん)が頭のてっぺんを意味し、癇(かん)がひきつけの発作をあらわしますが、この漢字の通りにツボ治療は頭に重点を置きます。

治療刺激は、灸と鍼が最も有効です。

灸治療は、中切りもぐさを使い、各ツボに1日5~7壮すえます。

上記のツボのほかに、手足をこわばらせて、のけぞる発作を鎮める効果がある、外くるぶしの前下方の「金門」を加えます。

てんかんは、手足の冷えも伴いますが、背中、腰、足のツボの刺激は体の冷えをとるうえで効果があります。

なお、便秘をすると、てんかんの発作を誘発することになるので、便秘をしないように「中脘」、「大巨」を中心とした刺激は大切になります。

〇メモ

てんかんの治療は、薬物療法が主流であり、発作の型によっても薬の種類は異なります。ツボ療法は補助的な治療として大変役立ちます。

また、患者は規則正しい日常生活を送り、睡眠を十分にとるようにして、心身の過労を避けます。便秘も悪影響なので、便意を催したら、必ず排便をします。

食事は腹八分目を心がけて、野菜や海藻類を努めて食べて、便秘を防ぎます。香辛料はなるべく少なくして、肉類、砂糖、脂肪の多いものはできるだけ取らないようにします。

また、てんかん患者は飲酒は厳禁です。飲酒によって発作を起こすケースは少ないです。リスクを減らす意味でタバコも避けましょう。