おねしょ(夜尿症)

人間の排尿機構が完成するのは、3~4才と考えられています。この時期を過ぎても、夜間に排尿の失敗をするものを夜尿症と呼んでいます。

普通この年代になりますと、大脳から膀胱への抑制力が完成し、夜間の失敗はほぼなくなり、また睡眠中に腎臓から分泌された尿が満タンに溜まるまで、つまり尿意感じるまでの時間がおよそ8時間以上になるので、おねしょの心配はなくなるはずです。

とある資料によりますと、夜尿症の子供は4~5才でも15%あり、小学校6年生になっても、4%強の子供がまだ悩みを抱えているといいます。

夜尿症には、何らかの病気がひそんでいる場合があります。尿崩症、萎縮腎、萎縮膀胱、膀胱炎、尿道炎、外陰炎、膣炎などであります。さらに、膀胱を支配している神経に異常がある場合もあります。

しかし、こうした病的なものは夜尿症の一部で、ほとんどは膀胱などには何の異常もないのに、自分の意識することなしに、夜間に正常と同じ排尿行為をしてしまうのであります。

原因として指摘されるのが、精神的、心理的要因であります。例えば、今まで排尿で失敗のなかった子供が、下に弟や妹が生まれたとたんにおねしょをするようになった場合などであります。日頃の習慣、不規則な生活も原因となります。

東洋医学では、夜尿症のほとんどを冷えが原因であると考えます。いわば、子供の冷え症で、おねしょに改善がない子供は必ずお尻や足が冷えています。ツボ療法はこの点に留意して処置します。

ー鍼灸治療編

◆主要なツボ

背中 「身柱」
腰  「腎兪」、「志室」、「膀胱兪」、「次髎」
お腹 「水分」、「関元」、「中極」
足  「三陰交」、「太谿」、「大敦」
など

◆治療法

夜尿症には、昔から灸治療がよく効くといわれてきています。灸に耐えられない場合は、知熱灸や温灸の方法もあります。むろん、マッサージや指圧でも十分に効果を示すことがあります。

灸治療の場合は、10歳未満の子供には糸状灸などできるだけ小さい灸をすえます。10歳以上の人には、さらに「極泉」や「足三里」、「曲泉」など加えます。

ところで、子供の夜尿の周期をよく観察しますと、月によって多い月と少ない月があったり、1週間のうちでも、週末になると決まっておねしょをして、知恵熱といわれる軽い発熱状態と、体力減退を起こす場合があります。

そのような場合は、治療を二つに分けて行います。夜尿の多い月や週末に多い場合には、「関元」、「中極」、「志室」、「腎兪」、「膀胱兪」を用いて、足の冷えが強い人には、「足三里」、「三陰交」、「太谿」、「大敦」を加えて刺激します。

夜尿の少ない月や週始めの時の場合は、全身の変調効果をねらって、「百会」、「肩井」、「身柱」、「心兪」、「大巨」、「合谷」、「湧泉」などを選穴して、施術を行います。

子供の場合は、刺激に非常に敏感で、特別ツボを選ばなくても効果があります。この効果を治療に応用したものが皮膚鍼で、子供の背中、胸、お腹などにリズミカルな刺激を与えますと、全身の自律神経が調節され、外部の刺激に対して体は適度に反応するようになり、過敏な体質は変調されていきます。ポイントとなるツボ付近に温灸や小児はりの方法で行います。

◆メモ

夜尿症の子供は寝てから1時間前後で粗相するといいます。夜はあまり水分をとらせないようにして、足先の保温には十分に注意します。また、おねしょをした子供をやたら叱ったり、意識させたりするのは禁物です。要は夜尿の習慣を断ち切り、丈夫な体、明るい性格、規則正しい習慣をつけることであります。

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