蓄膿症(副鼻腔炎)

蓄膿症(副鼻腔炎)

蓄膿症は、副鼻腔などに膿がたまる病気で、正式には副鼻腔炎といいます。副鼻腔は、上あごの奥、鼻の根元、左右の眉毛の上、頭の中と、この四つの部分にある空洞で、ここに炎症が起こって粘膜が厚く腫れ、膿がたまった状態を蓄膿症といいます。

四つの空洞は、その一つだけが悪くなることはあまりなく、二つか三つが同時に侵される場合が多いです。症状には急性と慢性があります。

急性蓄膿症では、急性鼻炎から移行するケースが多く、鼻づまりとともに粘液性の悪臭のある分泌物が多量に出て、全身の倦怠感、頭重、頭痛があり、目の周りが痛みます。しかし、適切な治療を早期に行なえば、比較的容易に完治します。

厄介なのは慢性蓄膿症で、細菌感染とともに粘液自体の病変が強いため、なかなか治りにくくなります。現代医学では、手術をすることが多いですが、根治したように見えても、再発することが少なくなく、甚だしいときは臭覚を失ったり思考力や記憶力が低下したりして、いつも頭がモヤモヤした感じで悩まされます。季節の変わり目はなどは、特にその傾向が強くなります。

しかも、鼻汁がのどの方に流れるので、慢性の咽頭炎や喉頭炎にもなり易く、胃腸障害や気管支拡張の原因にもなります。また、鼻粘膜が腫れ、鼻茸ができることがあります。生死には直接関係はないですが、不快な病気であります。思春期以降の発病は治りにくくなります。

蓄膿症は、体質や遺伝的な要素も関係していることがかなりあり、昔から東洋医学による治療が効果をあげています。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

蓄膿症のそれぞれの症状に応じたツボをねらって治療を行います。

よく使われるツボは、

後ろ首 「天柱」、「風池」
頭頂部 「百会」、「前頂」
顔面  「印堂」、「睛明」、「巨髎」、「迎香」
のど元 「天突」
背中  「大序」、「風門」、「身柱」、「肺兪」
手   「合谷」、「孔最」
足   「足三里」

などがあります。

◆治療法

先ず、「天柱」、「風池」を治療します。さほど重くない症状でしたら、ここを処置するだけでかなりの症状の改善が期待できます。

次に、「百会」、「前頂」に治療を行います。鍼治療は、頭部は皮膚の直下に頭蓋骨があるので、鍼を真っすぐ指す場合は、針先が骨に接触する程度の深さで刺します。

腕の「孔最」は呼吸器疾患に大切なツボで、喘息や風邪などには欠かせないツボです。

なお、「合谷」、「足三里」の他に、顔の「印堂」、「睛明」、「巨髎」、「迎香」、のど元の「天突」、更に背中の「大序」、「風門」、「身柱」、「肺兪」なども治療に加えます。中でも「天突」は肺臓に関係の深いツボで、東洋医学では、鼻の病気は肺の臓と関係があるとされていて、このツボを使うことで肺臓由来の症状を改善させます。

鼻がつまって、頭痛、頭重が伴うときは、東洋医学の古典に「太陽の頭痛は足の外くるぶしでとる」書かれているように、外くるぶしにある「崑崙」を処置します。

◆メモ

灸治療の場合は、特に「百会」、「天柱」、「風池」、「肺兪」、「孔最」、「合谷」などに半米粒大のもぐさで、3回ずつすえます。「印堂」、「巨髎」、「天突」といったツボは場所が場所だけに、ニンニク灸やショウガ灸などの隔物灸をして、これらを何回か繰り返すことで、うっとうしい症状を取り除いてくれます。

◆蓄膿症の家庭療法

子供の蓄膿症は、鼻を指でまっすぐに伸ばすようにマッサージしますと、ゆがんでいる鼻も矯正され、症状も改善します。

大人の場合は、両手の中指の腹で、鼻翼から口の両端にかけて50回位マッサージをしますと、鼻の詰まりがとれます。小指の爪もみもあわせておこなうと効果が上がります。

もう一つの方法は、正座か椅子に腰かけた状態で、顔を上向きにして、そのままのポーズで額の中央を軽く握ったこぶしで20回位力を入れて叩きます。その後、鼻の両側を下から上に向かってマッサージを行います。

各々毎日続けることが大切です。