骨盤位(逆子)治療について
骨盤位(逆子)治療する時期に一定の条件があります。最も有効な期間は28週~32週です。胎児の状況によっては26週からでも可能です。赤ん坊は大きくなりはじ めると子宮の中でくるくる回っています。25週以下では治療してもすぐ戻ってしまいます。医師もあまり逆子について問題視しない事と思います。胎盤の剥離 も考慮し25週以下では行わないようにするのが通常です。
さて、それでは鍼灸治療で逆子が治療回数は、データーの採り方にもよりますが、
- 1回目の治療で 約30%矯正成功(約1時間以内)
- 2回目の治療で 約30%矯正成功(1時間後には帰宅してもらうため2度目の来院時に判明する者を含む)
- 3回目~5回目の治療で 約30%矯正成功
と考えています。
しかし、鍼灸治療をして一向に胎児の動きに変化がない場合は、
- 臍帯が長く(1m以上)赤ちゃんの首に巻きついたため。(くるくる回りすぎたため)
- 臍帯が短すぎるため(30cm以下)
- 前置胎盤の人
- 赤ちゃんがあぐらをかいて正面を向いている
- 重篤な病気にかかっていることが胎児に生じていることが考えられます。
以上の状態は、出産にあたり胎児の状態を確認するためにするレントゲン撮影で判明したり、帝王切開したりして初めてわかるものであり、触診では困難です。 また、冷えが強いお母さんの場合、5回の治療で取り除くことが困難なことも逆子を矯正できない理由の一つと考えておりますが、来院したお母さん方にはそこ で諦めないように伝えています。その理由は、陣痛が始まったときに起こる強い子宮の収縮により、逆子が改善される事があるからです。
足の小指にある「至 陰」というツボにお灸を40週までし続けると、冷えが解消され子宮が柔軟になりますのでその確率はぐっと高くなります。胎児の姿勢(お尻から出てくると) によっては逆子のまま出産する事も可能です。
人事を尽くして天命を待つ。赤ちゃんに一生懸命語りかけ精一杯の事をすれば、赤ん坊がそれに応えてくれるので はないか思っています。
逆子にならないためには
講習を受けたり、各種専門書をお読みになったりした方はお分かりだと思いますが、なぜ妊婦が身体を冷やしてはいけないかと申し上げますと、
- 妊娠中毒になりやすい。
- 胎児の成長が悪い。
- 羊水(赤ちゃんのおしっこ)の量が少ないため、赤ん坊が子宮の中でプカプカ浮く状態にならない。羊水による無重力状態の環境が損なわれ、赤ん坊が動きにくくなる。胎児の安全性にも問題が生じる。
- 微弱陣痛になりやすい。
- 出産に時間がかかりすぎるため (通常、初産で分娩に約12時間要するが、24~48時間もしくはそれ以上の時間を要する事が多い) 母体の体力が消耗し、母体が危険にさらされやすい。
- 陣痛促進剤を使用せざるをえなくなる確率が高くなる。
- 帝王切開しないと出産が困難になる確率が高くなる。
- 死産の危険性が高くなる。
- 母乳の出が悪く、人工乳を使わざるをえなくなりやすい。
- 出産後の体力の回復に時間を要する。
- 逆子になりやすい。
上記のような事が主にあげられます。母体を冷やす事は百害あって一利なしです。ここで重要な事は、身体を冷やす事によって生じた不快な症状を取り除くた め、薬物療法を選択する事には問題があるということです。胎児への影響を考えると、鍼灸治療を選択する事をお勧めいたします。妊婦さんの健康管理はお子さ んにとって一生の大事となります。
さて、逆子に絞って記述しますと、冷えは足元から入りやすいのですが、太ももやお尻、お腹が冷えてくると赤ん坊は頭が冷やされすぎるのを嫌って自発的に ひっくり返るのと考えています。すでに生命力を宿しているわけですから本能でそうするのではないでしょうか。母体を冷やす事を止めないと元には戻らないよ うです。
また、逆子を治すために「逆子体操」がありますが、どうも効果を発揮していないようです。
助産婦さんは手で回転術を行います。熟練した人は1時間3半位かけてゆっくり、胎盤剥離を起こさないように行います。だだし、この技術を要している人は現 在ではかなり限られているものと考えられます。手技による回転術を除き、逆子の治療に関しては、鍼灸治療が現代の医療の中で最も有効で効果の高い方法であ ろうと考えます。
鍼灸治療における骨盤位(逆子)の有効性において医学博士の称号が送られた医師もおり、その効果が現代医学界でも認識されております。鍼 灸治療をすると子宮が強く収縮し、胎児を通常の正常な位置に自発的に戻す力を生じさせます。
お母さん自身の力を応用するだけですのでとても安全です。 「気を強く持つこと」が東洋医学の根幹です。一人でも多くの方が東洋医学を正しく認識し、東洋医療のすばらしさを知っていただきたいと願いを込めて治療を 行っています。