体の老化防止

欧米では結合織マッサージという方法が盛んに行われています。結合組織(結合織)とは、頸部や手首、足首など皮膚や外から触れることができる硬いすじの類のことで、血管や筋肉が少なく、とにかく柔らかみを失って硬くなりがちな部分であります。

従来、結合組織は体の支持組織として知られてきましたが、近来この組織が声明を保つ上で重要な関係があり、また結合組織に主な変化を起こす病気のあることが明らかになり、この組織の持つ重要性が認識されるようになりました。

結合組織の特徴は、全身至るとことにあって、しかも全部つながっていて、また、細胞と細胞の間をつないでいる組織であります。そして、栄養分を血管から細胞に送り、老廃物を細胞から血管へ送る通り道の役割をしています。そこで結合組織に異常が起こると、細胞は栄養素をとり入れることができず、また老廃物をとり去ることができず、細胞は弱ってしまいます。このように結合組織は、細胞が生きていくために非常に大切な役目をしていることがわかります。

この組織を活性化させて、体の老化現象を防ごうというのが結合組織マッサージの特色です。これは、東洋医学からみても極めて理にかなった方法です。もともとツボは、筋肉の最も収縮する筋腹にあるのだけではなく、筋肉の両端の一つの関節を乗り越えて付く腱のところにある場合が多いです。そこで、筋肉の力をつけるために、骨の筋肉のついている起始部から、筋肉の終わる停止部までの緊張をほぐすことは、東洋医学からも一番効果があるといえます。

また、人間は血管とともに老いるといわれますが、動脈硬化は老化を促進し、脳卒中や心臓病の引き金になります。動脈が通る場所は、結合組織が密集した筋肉や腱があるので、下都合組織の緊張をとることは、必然的に動脈の通り道をよくすることになり、動脈硬化防止につながることになります。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

後ろ首 「天柱」、「風池
背中  「大椎」、「肩井」、「膈兪」、「肝兪
腰部  「腎兪」、「大腸兪
前胸部 「雲門」、「中府」、「膻中
腹部  「中脘」、「天枢」、「関元
手   「陽池」、「神門
足   「足三里

などがあげられます。

◆治療法

前首を通っている胸鎖乳突筋の内側には、心臓から脳に血液を送る動脈と、脳から心臓に血液を返す静脈が通っている重要なポイントになっています。また、後ろ首の頸椎の両側には、首から後頭部に向かう動脈が通っています。したがって、耳の後ろから前首、後ろ首から肩や背中にかけて筋肉の凝りをほぐすことが大切になります。

また、背中の両側の筋肉の緊張を緩めることで、内臓の出店である脊髄に働きかけて、興奮を鎮め、循環を改善し、痛みや凝りをやわらげ、内臓に機能を整えます。

結合組織を意識して、体を緩めるように刺激しますと、全身を若々しく蘇らせる土台になります。

下半身の老化防止には「足三里」の刺激が効果的であります。加えて、へその下の「陰交」、「関元」が下半身の老化防止の重要穴になるので、念入りに処置します。