肥満

肥満とは脂肪の蓄積であり、皮下組織や乳房など普段でも脂肪の多い部分に蓄積されるものと、心臓、血管、肝臓など生理的には脂肪のないところに蓄積されるものとがあります。

太る原因の最も基本的なものは、消費カロリーに比べて摂取カロリーが多すぎるか、または消費カロリーが異常に減少するかのどちらかであります。脂肪沈着によって肥満するといっても、病気として考えなければいけない場合と、美容上の問題の場合があります。

医学上問題になるのは、肥満していてしかもそれに伴う症状、例えば動脈硬化、高血圧、糖尿病、心臓病、痛風、胆石、あるいは膝関節の疾患、腰痛などであります。

ここで取り上げる肥満は、美容上問題になる肥満で、先に述べた症状を伴わず、太っている体そのものに問題を有する場合であります。

一般的にみて、最も脂肪がつきやすいところは、まず、あごから両方の乳を結んだ線のあたりまでと、へその下の腰回り、太もも、ひざの後ろ側、足首などをあげることができます。

したがって、太り過ぎないためには、まずこれらの場所に脂肪がたまらないように処置を講じることがポイントになります。

-治療編

◆主要なツボ

胸部 「膻中
腹部 「巨闕」、「中脘」、「天枢」、「陰交」、「関元」、「大巨
脇腹 「期門
背中 「心兪」、「腎兪」、「大腸兪
足  「足三里」、「三陰交
手  「合谷

などが主になるツボです。

◆治療法

肥満には、全身を整える全身療法が有効です。

背中から腰にかけての上記の中からツボを刺激します。次いで、腹部も刺激します。ツボ刺激によって、腰回り、腹部の脂肪がとれると同時に、胃腸の機能が整えられて、便秘も治ります。全身状態がよくなると、活発に動けまわることができるので、さらに体に無駄な脂肪がたまる余地がなくなります。

太ると目立つのは、まず、首の太さと、腰回りや腹部、太ももあたりであります。そこで、特に念入りに刺激したツボは、「膻中」と「心兪」であります。この刺激は、体の表面と裏面を活性化する刺激になります。さらに、「中脘」と「天枢」で胃腸を整えて、「大巨」で便通を改善します。

その他、背中の「肝兪」で肝機能を高め、「三焦兪」で体の機能や栄養を整え、「大腸兪」で腸の機能を整えます。さらに「胞肓」を刺激しますと、腰の付近の脂肪は落ちます。

肥満対策には、手足のツボも欠かせません。手の「合谷」、足の「三陰交」、「足三里」は、体力を強め、消化機能を順調にして、快適なコンディションを作るのに大切であります。

〇腹部の脂肪をとる3分間マッサージ

図で示した「3分間マッサージ」を行うと、下腹部のポッコリが解消されます。

朝目覚めたとき床の上で、昼食をとって一休みしたあとに、そして夜風呂から上がって休む前に、各々3分間ほど行えば十分です。

古い座布団を二つ折りにしたものか、硬いまくらをを背中に当て、膝を伸ばして仰向けに寝ます。

次いで口を軽くあけて息を吐きながら、右手の親指を除く4本の指で、①~④の経路を次々にマッサージします。④まで終わったら、大きくバンザイをして、体を起こし、足先をつかんで前かがみ運動をします。