生理痛(月経困難症)

生理時には全女性の8割は、様々な不快を経験するといわれていますが、何らかの症状を訴えた場合を月経困難症、俗に生理痛といいます。

生理痛には個人差があり、ほとんど気にならない人と、薬を飲まないと耐えられないという人がいます。生理の前日、または第1日目に起こる我慢できる程度の下腹部痛は、多くの女性に見られる生理的なものであります。

基本的には、生理の2~3日前から2~3日後まで下腹部が痛み、その1日くらい寝ていなければならなかったり、生理の1週間前から頭痛、乳房痛、不安感が強い場合を生理痛といっています。

生理痛は、子宮が収縮して狭い子宮内を経血が外に押し出されるときに起こるもので、子宮の筋肉の収縮が特に強い場合に痛みます。

しかし、生理痛があっても、きわめて激しい痛みを伴う場合を除いては、大抵の人は月々のことでもあるので、この程度は我慢してしまうようであります。

上記のような人には、ツボ療法を行うと、必ず症状が和らぎます。ただし、子宮筋腫や強度の子宮後屈などの原因でひどく痛むものは、専門医の診療を受ける必要あり、場合によっては手術によって改善します。

―鍼灸治療編

◆主要なツボ

腰部 「腎兪」、「次髎」、「胞肓
腹部 「気海」、「関元」、「中極」、「大赫
足部 「血海」、「築賓」、「太谿
手部 「合谷

などがポイントになります。

◆治療法

腰部の治療から始めます。上記のツボの他に、「三焦兪」、「上髎」、「中髎」、「下髎」にも治療を加えます。「次髎」のかたわらにある「膀胱兪」は生理痛によく効くツボなので治療には必須です。

「腎兪」は体力の増強をもたらし、「次髎」は生理痛、生理不順の特効ツボ、「胞肓」も婦人科の症状に欠かせないツボであります。

続いて、腹部の治療に移ります。上記のツボ中心に治療を行います。へその下の「気海」は気血の滞りを除く働きがあります。

手部では「合谷」を治療しますと鎮痛効果があり、胃腸の調子もよくなります。

足部は、「血海」、「築賓」、「三陰交」、「太谿」に治療をします。「血海」は気血の滞りを取り除き、「築賓」、「三陰交」、「太谿」は足の冷えをとる作用があります。

灸治療を行う場合は、米粒大のもぐさで各ツボの中から選んで、3壮ずつすえるといいでしょう。生理が始まる約1週間前から行い、生理が始まったらやめます。このように灸治療を行うと、生理初期の痛みはとれますが、終わりのほうで痛む場合には、生理中でも継続して灸を行います。症状がなくなったときが、治療を終えるときであります。

鍼治療は、「中極」、「腎兪」、「次髎」、「三陰交」を中心に治療を行います。灸治療同様に、生理前1週間くらいから治療を行うこと必要であります。生理前に数回治療を繰り返すことで根治させます。

曲骨」にショウガ灸をすると奇効を奏することがあります。