じんましん

体の一部、あるいは全身が突然かゆくなり、赤いみみず腫れ状ないし蚊に刺されたときのような膨疹があらわれて、急に広がるのがじんましんの特徴です。タイプとしては、数日あるいは数週間でおさまる急性型と、数カ月、数年にわたって繰り返す慢性型があります。

じんましんの原因となるものは、その人によって特徴があり、多種多様であります。

日光、温熱、寒さ、冷え、摩擦などの刺激、化学薬品などの皮膚へ直接作用などの外的原因、あるいはある特定の食べ物、特に青身の魚、貝類、エビ、カニ、卵など、その他に内服薬や注射薬、内臓の病気や新陳代謝の障害、精神的なストレスなどが原因として挙げられます。

ある種のものに対して非常に敏感に反応し、かゆみ、膨疹が起こる人はアレルギー体質の人が多いです。したがって、ツボ治療でじんましんを治療することは、すなわちアレルギー体質に対する治療ということになります。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

背部 「大椎」「肺兪」「肝兪」「腎兪」「大腸兪
胸部 「膻中
腹部 「中脘」「関元
手首 「陽池

などがポイントになります。

◆治療法

アレルギー体質を持った人の背中は、首の付け根から左右の肩先にかけて、逆三角形状に湿疹やシミがあったり、ザラザラしたりする特徴があります。

ちょうど両肩の高さで、首の付け根の第7頚椎辺りを軽く親指で押しますと、強い反応を示すところがあります。そこがじんましんや皮膚のかゆみに対する特効穴の「大椎」であります。この「大椎」に加えて、「肺兪」、「肝兪」、「腎兪」、「大腸兪」を刺激します。

次に、胸部の「大椎」、腹部の「中脘」、「関元」、手首の「陽池」、足の「三陰交」、「太谿」を刺激します。

灸治療を行う場合は、米粒大または半米粒大のもぐさを3~5壮、1日1回、5日すえて2日休みながら、3週間続けます。体質が合えば、目覚ましい効果を示します。「大椎」はツボの上下左右の反応点にも灸治療を行うのがコツになります。同時に鍼治療を併用すれば、さらに効果が上がります。

じんましんや皮膚のかゆみが頭や顔に出た場合は、「百会」、「天柱」、「手三里」、「肩髃」も加えます。