しみ・そばかす

しみは肝斑(かんぱん)といって、眉毛の上、頬骨の少し飛び出ているところ、鼻の上、上唇など日光に当たりやすいところにできます。20代の人にも見られますが、特に中年以降の人に多いものであります。

原因にはいろいろあり、日光の紫外線、精神的・肉体的過労、妊娠、婦人系の病気、副腎機能の障害、肝臓障害、化粧品の作用などが挙げられますが、原因不明のものも少なくありません。

原因が分かっていなければ、もちろん専門医の治療を受ける必要がありますが、何よりも強い直射日光を避けることが大切であります。また、睡眠を十分にとり、ゆったりとした気分で生活することも必要になります。

一方、そばかすは思春期以降の肌の色素が薄い人にできやすく、遺伝的な日光過敏症が原因とされています。夏に多く、冬に少なくなりますが、目立つ場合は、専門医の診察を受けることが大事になります。しみの場合と同様に、そばかす直射日光は避けることがポイントになります。

しみ、そばかすを東洋医学的治療によって、短時間の間に治すことは不可能ですが、ツボを使った治療によって、体質、体調を整えれば。自然に治癒すると考えています。

元来、調和のとれた健康な体を維持していれば、しみやそばかすが皮膚を侵すことはないのであります。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

背部 「肺兪」、「三焦兪」、「腎兪」、「命門
胸部 「膻中
腹部 「中脘」、「陰交
手部 「陽池」、「合谷」、「内関」、「太淵
足部 「太谿

などがポイントになります。

◆治療法

しみ、そばかすは体質、体調の転化をねらった治療法が中心であるので、まずは皮膚と密接な関係にある背中の「肺兪」を治療します。

からだの前面では、「膻中」で呼吸器系と循環器系の機能を整え、「中脘」で胃、肝臓、すい臓の機能を整え、「陰交」で小腸と大腸の機能を整えます。

手足では、「陽池」、「合谷」、「内関」、「太淵」、「太谿」などを治療します。これらのツボの治療は、体調と体力の変調効果をねらうのが目的です。

灸治療を行う場合は、有痕灸あるいは知熱灸を1ヶ所に5壮行います。およそ6~8週間くらいで、色素は薄くなり、体力も付きます。

以上のツボ治療の他に、しみ、そばかすの出やすいところを、軽く刺鍼します。つまようじなどで軽く刺激をするのも一つの方法です。このような刺激は、皮膚の変調が整い、しみ、そばかすが消える場合もあります。