美肌

美肌とは、どんな肌をいうのでしょうか?若い人とお年を召された人の肌を、色合い、彩度、明度の3つの面でから比べてみますと、若い人の肌は、赤っぽく、鮮やかで、明るく、これに対してお年を召された人の肌は、黄色っぽく、濁り気味で、暗いです。つまり、肌は年齢とともに黄ばみ、透明度が低くなるのであります。

古く日本では「色白は七難を隠す」といって、色白が美人の条件とされていましたが、現代の美肌は、血色がよく、透明度が高く、つやがあって、うるおいが豊かといったところでしょうか?

皮膚のつや、うるおい、鮮やかさなどは、皮膚の汗腺、皮脂腺、皮膚の血液循環によって決められるものであります。そして、これらの働きは、内臓の働きを支配している自律神経によって調整されています。したがって、これらの器官を順調にしておけば、自然と肌は美しくなってきます。

自律神経系の働きを正常にしておくということは、基本的には健康の保持増進を図ることであり、この基礎の上に皮膚の栄養状態をよくする方法を施すということになります。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

背部 「肺兪」、「脾兪」、「三焦兪
腹部 「中脘
手部 「陽池
足部 「太谿

などが美肌のポイントになります。

◆治療法

〇健康を増進し、美肌を作る方法

①背骨の押圧

背骨の両側を手根揉捏で左右同時に押します。首のつけ根から押し始め、順々に腰のあたりまで押します。1ヶ所での押し方は、まず1秒かけてゆっくりと押し込み、押し切ったところで1秒そのまま押し続け、さらに1秒かけて圧力を抜きます。この要領で1ヶ所に連続3回行います。

②首の引き伸ばし運動

Ⓐ首を屈曲させます
Ⓑ首を側屈させます

③下肢の引き伸ばし運動

Ⓐ足の後ろ側を伸ばす
Ⓑアキレス腱を伸ばす
Ⓒ股関節周囲の筋を伸ばす

〇皮膚の働きをよくする方法

皮膚の働きをよくするには、灸治療が適しています。灸をすえるのは、「肺兪」、「脾兪」、「腎兪」、「中脘」であり、皮膚の栄養状態を高めるという目的で、1ヶ所にできるだけ小さなものを2個ずつ灸をすえます。3週間毎日すえたら1週間休むというように行います。

他にツボ刺激として、「三焦兪」、「陽池」、「太谿」などを加えます。

「肺兪」は呼吸の働きを高め、「脾兪」、「中脘」は消化の働きを高め、「腎兪」は排泄の働きを高めます。また、「三焦兪」は後天の元気の宿るところであり、「陽池」、「太谿」は内蔵の機能を整え、栄養を行き渡らせるために欠かせないツボであります

〇美顔マッサージ

顔の皮膚はその場所の筋肉と一続きであり、筋肉の働きに応じて皮膚が働くので、筋肉を若々しく保つことが顔の皮膚を美しくすることに繋がります。そのためには、筋肉系のマッサージの原則である筋肉の経絡にそってマッサージをしますと皮膚は美しくなります。

図の矢印の方向に沿って、額のマッサージは眉の上から頭のほうに縦に、次いで、眉間から両額角に左右横に、手のひらか四指、親指でなで、軽くもみます。

次に目の周りの筋肉をマッサージします。鼻の根元から上まぶた、下まぶたに沿って、外目尻に向かって輪状に四指で軽くなでます。外目尻はよくなで、よくもみ、あと目をゆっくり強めに閉じて開く運動をします。

頬筋では、鼻の根元から頬骨の下を耳の前、耳たぶから下あごにかけてマッサージをします。四指に腹か人差し指と中指を使うのがよいでしょう。

口の周りは、上唇と下唇に分けて、左右の手指を交互に使って、右の口角から上唇を左の口角に、また両手指で左の口角から右の口角によく軽擦し、次いで両唇を軽く揉捏します。

次におとがいから耳まで左右の手掌を交互に使って軽擦をし、二指で揉捏します。下あごから首の前まで、親指と四指を開いて手掌軽擦をします。マッサージを終えましたら、額全体を自分の両手の指先で軽く叩きます。