鍼灸オタクは早死にする 553

◆東洋医学講座 45

〇十二の大気作用

●午(うま)の作用

「忤(さかり)」の字義から成り、〝盛り〟の意であります。巳(み)のところで伸長してきた働きが止まり、午(うま)のときでは、枝や葉が繁茂して最盛成熟をします。

人間でいえば、中年期の盛りにあたり、巳のところで背丈の伸長が止まり、午の期では伸びた身長に肉付きが加わり、肉体的な成熟期の中年盛りとなります。

地上では、夏の盛りを迎え、頭上に照りつける大きな太陽光線を受け、万物はその働きを末端まで遠心させて、膨張的生成をしています。

●未(ひつじ)の作用

「昧(くらし)」または「味(み)」の字義からきているといわれ、昧は〝明の極に至って暗が生じる〟の意であります。味は〝陽気を受けて、遠心的に枝葉拡散された働きが、伏入してきた朝夕の陰気の気に、枝先が収斂凝結されて結実をはじめ、この百果の味つきが、未の気によってなされる〟の意です。

人間でいえば、中年の最盛期が過ぎ、体の末端に硬直を生じ、頭に白髪がポツポツ見えだす年齢にあたり、中年の末期で初老の初期の変化期であります。

地上では、夏の極限に至り、太陽はUターンして秋に向かい、朝夕の冷気の気が立って万物末梢の外表に収斂作用を受けます。

●申(さる)の作用

「伸」の字義から成り、〝陰気が伸びる〟の意です。未のところで陰冷の気がたち始めたのが、ここではぐんぐんと朝夕の冷気が増し、涼気が目に見えて加わり、いっそうの収斂結実をする。

人間でいえば、初老期に入り、体が収斂作用によって硬くなり、老化が一層進むときである。

地上では、太陽がだんだん遠のき、減熱の世界となり、陰冷の気が伸び、万物が一層外表を硬めて凝結の方向にいきます。