鍼灸オタクは早死にする 557

◆東洋医学講座 47

〇五行の成り立ち

五行の「行」とは〝めぐり〟という意味であります。したがって、五行とは〝五つのめぐり〟ということになります。

これは、陽遁・陰遁の働きを、さらにそれぞれ二つに割って四つの働きー木・火・金・水とし、それに土の働きを加えて、五つの働きとしたものであります。土の働きは、この五行論ではじめて積極的に展開されており、五行論の特色づけています。

〇木火金水の成立

陰陽論では、万物が「生成―発展―成熟ー衰退―消滅」の過程をたどります。これは、統一体を構成する陰陽の量的割合が絶えず変化することによって行われ、その変化には、陽が増大する陽遁と陰が増大する陰遁があります。すなわち、万物の盛衰変化は、陽遁・陰遁の働きによるものであります。

例えば、植物は陽遁の働きによって発芽し、繁茂し、陰遁の働きによって枯れていきます。また、ボールが上に飛ぶのは陽遁の働きであり、下に落ちるのは陰遁の働きによります。

この陽遁・陰遁の働きをさらに細かく分解して示したのが、木火金水の働きであります。

≪木気≫

陽遁の生成・発展、他方における陰遁の盛衰の働きをします。これによって、陰陽からなる統一体は、陽的側面を増大させ、陰的側面を盛衰させます。したがって、陽が主になってできているものは生成・発展し、陰が主になってできているものは衰退します。

四季の働きでいいますと、春の働きであります。冬季の寒さによって凝固していたものが、春の過熱暖気によって、溶解・膨張し、発芽・成長していきます。全閉から全開にいくまでの半開作用であります。この季の地上の象徴は、発芽・伸長する草木の姿であります。ここから「木」という符号をとります。

≪火気≫

陽遁の成熟と、陰遁の消滅の働きをします。陽が主になってできているものは成熟し、陰が主になってできているものは消滅します。

四季の働きでいいますと、夏の働きであります。春の過熱暖気がさらに加熱されて、一年で最高の暑さに達します。いままで発育過程にあったものは、最大の姿に成長し、開大します。全開作用であります。この季の象徴は、暑熱であり、太陽がいちばん大きく感じられます。この熱気象徴から「火」という符号をとります。

≪金気≫

陽遁の衰退と、陰遁の生成・発展の働きをします。陽は主になってできているものは衰退し、陰が主になってできているものは生成・発展します。

四季の働きでいいますと、秋の働きであります。この季は、気温下降のときで、開大していた草木の葉を枯らし、生気を子のほうに内蔵させ、収斂凝固させます。半閉作用であります。この収斂凝固し、固形化させる働きから、「金」と符号づけています。

≪水気≫

陰遁の成熟と、陽遁の消滅の働きをします。陽が主になってできているものは、消滅とともに、他方で新たな陽の生成を内で準備します。陰が主になってできているものは、成熟します。

四季の働きでいいますと、冬の働きであります。秋の涼気にさらに加冷して、地上の草木を完全に凝固するとともに、地中の種子に内燃性を与えて、生命の核を内に保ちます。全閉内燃作用であります。この季の象徴は何といっても寒冷であり、「水」をその代表として符号にしています。

以上のように、木火金水とはその働きをそれぞれの働きの代表しているものをもってきた符号であります。

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