鍼灸オタクは早死にする 663

◆東洋医学講座 98

▽肝と胆

▼肝と胆は兄妹の関係

肝と胆のうは、兄妹のような協同関係をもっています。その働きは、肝臓でつくられた胆汁を胆のうで蓄え、そして十二指腸に送って油脂消化、糞便排泄を容易にしています。

また、精神的には、胆力を生成しています。胆力とは胆魂(きもったま)のことです。胆魂が大きいとか小さいというのは、肝系の力を指します。その中でも肝力と胆力に分けられますが、だいたい肝力があれば、胆力もあるといえます。しかし、見かけ上は、妹である肝の力が強くても、胆に力がない場合もあります。

肝のほうに力のある人は、背が高くなりますが、横に肉がつきません。というのは、胆は脾臓と密接に夫婦拮抗していますから、それが好拮抗しているのであれば、太ります。力もついてきます。

背が高く、肉付きがよく、がっちりしている人は、肝も胆も共に力が充実しています。

胆のうは脾と共に、昼から夕方にかけての土旺期に、木と土で夫婦拮抗をし、消化作用を司っています。

胆と大腸は、胆汁で便を整える働きがありますので、胆は大腸生理を容易にさせる働きをします。これは、金系の拮抗です。大腸は副肺臓であり、すなわち皮膚であって、金と木とで拮抗します。

その他、精神面をいう言葉には、肝がすわっている、肝を抜かれる、肝を冷やす、くそ力がある、くそ度胸がある・・・などがあり、一般用語として用いられています。これらも、肝と胆の関係の働きをいいます。

▼五臓にも精神作用がある

ここで少し西洋心理学と東洋心理学の違いに触れます。

東洋的には、精神というのは、仁・義・礼・智・信という五つの心があって、それらをうまく心にバランスを保ち、統合されている人を〝大人〟といっています。西洋ではこのような考えはありません。

東洋では、五心が統一されている精神について、すでに三千年以前からいわれています。これを人体でいえば、なぜ五本の指があるのかというのと同じで、それはもとが五臓から成り立っているからなのです。五臓には、五臓それぞれの働きがあり、精神があります。肝臓には肝臓の生理と精神作用が、腎臓には腎臓の生理と精神作用があります。

このように肝と胆は、肉体的な働きだけではなく、精神の働きも司っています。

はり・きゅう専門 ひごころ治療院
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