鍼灸オタクは早死にする 665

◆東洋医学講座 99

▽肝と大腸

大腸は、肺と兄妹関係にあって、肺が妹で大腸が兄に当たります。肝とは、乙庚干合で夫婦拮抗し、春・朝の木期に旺動しています。

大腸の生理作用は、排便に関与しながら、小腸の熱気によって水分を気発化して、全身に体気を送っています。

一方、肝は全身の神経・筋肉運動のコントロールを容易にするために、大腸と拮抗しながら、春・朝の主催者として営々を司っています。

朝は全身を発動させ、運動を起こそうとするときで、その活力源として大腸の陽気が内から外表に向かって働いています。例えば、便秘症の人は、陽気の働きが悪く、朝に気が働かず、妻に当たる肝や妹に当たる肺に悪影響を与え、ついには皮膚呼吸が活発にできにくくなり、皮膚に艶や活気がなくなってしまいます。

▼大腸と小腸の働き

大腸は、肝臓と拮抗しながら、春または朝を中心に活発に働いています。

大腸の生理作用は、排便作用をしながら、小腸の熱気を受けて気発化しています。つまり、気の動力源となっています。下腹に力が入るのは、この働きによります。そして、全身に体気を送っています。

小腸は心臓の兄妹ですから火なので、熱気を生じます。小腸で血液のもとがつくられます。その小腸をとりまいているのが大腸で、前述のように気をつくっています。

小腸と大腸で、気血は生成されています。横隔膜より上にある臓器、心と肺では気血を循環し、下にある小腸と大腸では気血を体内で生成しています。

肝と大腸が関連性をもっていることを示す例を挙げます。

肝機能が極度に低下すると、肛門括約筋がゆるんで、直腸の内壁の一部が肛門外に出ます。そうなると、下着が汚れます。また、これに腎機能低下が加わると、小便をチビチビと漏らす場合があります。中・高校生や大人でもお漏らしを繰り返すのは、腎と肝機能の低下によるものです。