鍼灸オタクは早死にする 692

漢方講座 8

▽気・血・水(き・けつ・すい)2

「最近何となく調子が悪い」と感じたら、病気の前兆かもしれません。

気・血・水の視点から、からだをチェックして、自分がどのような体質なのか知っておくことは、健康を維持するうえで大切になります。

以下のチェックシートは、気・血・水の「不足」と「流れの悪さ」に着目したものです。該当項目が多いものが、そのタイプだと考えられます。

〇気が足りない(気虚タイプ)

・疲れやすい
・元気が出ない
・顔色が青白い
・食欲がない
・声が小さい
・すぐに息が切れる
・風邪をひきやすい
・お腹をこわしやすい
・冷えやすい

〇血が足りない(血虚タイプ)

・顔色が悪く、艶がない
・立ちくらみや、めまいがする
・動悸がする
・眼の乾きやかすれ、視力の低下がある
・悪夢を見ることが多い
・肌がかさつく
・爪が割れたり、変形したりする
・髪が乾いたり、抜けたりする

〇水が足りない(津液不足タイプ)

・肌や髪が乾く
・鼻やのどが渇く
・声がかれる
・からせきが出る
・飲み物を飲みたいときが多い
・ほおが赤味を帯びる
・夜になると手足がほてる
・便が乾いて、便秘がち
・関節をスムーズに動かせない

〇気の流れが悪い(気滞タイプ)

・憂鬱な気分になりやすい
・イライラして怒りっぽい
・のどに何かつまっている感じがする
・お腹が張って痛い
・げっぷやおならがよく出る
・せきが出る
・からだに痛みがあり、痛む場所が変わる
・月経の前に乳房が張る

〇血の流れが悪い(血瘀タイプ)

・顔色がくすんだり、暗かったりしている
・目の下にクマができている
・肌が荒れて、シミができている
・血管が浮き出ている
・からだにいつも痛みがある
・刺すような痛みが同じ場所に起こる
・手足が冷える
・月経の出血量が多く、血のかたまりが出る

〇水の流れが悪い(水滞タイプ)

・全身が重く、だるい
・いつも頭が重い
・むくみがある
・めまいや吐き気がする
・たんが出やすい
・ぜんそくの症状や胸のつっかえがある
・水っぽい鼻水が出る
・下痢をしやすい

▼気虚の対策

・からだを休める
・消化吸収のいい食べ物を食べる

気は、私たちが毎日活動するための原動力なので、気が十分にからだの中にあることが健康の基本条件です。しかし、生まれつき少なかったり、過労やストレスで気を消耗して不足したりすることもよくあります。疲れやすい、だるい、風邪をひきやすいなどの気虚の症状がみられたら、からだを休め、なるべく消化のよいものを食べて、気を養います。

▼血虚の対策

・血をつくる食べ物をとる
・睡眠を十分にとる

血は、血管の中を流れて全身に栄養を与えたり、精神状態を安定させたりする働きがあります。血が足りなくなると、肌は艶を失ってカサカサしたり、視力が落ちたり、内臓や関節の働きが悪くなったりします。栄養が豊富で、血をつくる効果のあるものを食べ、睡眠をしっかりととり、血を補います。

▼津液不足の対策

・胃腸の働きを高める
・からだをうるおすものを食べる

からだの中の水が不足することを「津液不足」と呼びます。口やのどの乾き、肌の乾きがみられたり、夕方になって手足がほてったりするような場合は、水が不足しているサインです。このような場合は、ただ水を補給するだけでは症状はよくなりません。体内で水をつくり出している胃腸の働きを高め、からだのうるおす効果のあるものを食べます。

▼気滞の対策

・気分転換でリフレッシュする
・からだを動かす

気がからだのいたるところに流れてはじめて、全身の機能は正常に働きます。悩み事や運動不足は、気の流れをすぐに停滞させます。気が滞ると、血や水の流れも一緒に悪くなります。憂鬱、イライラ、お腹の張りなどの気滞の症状が現れたら、気分転換を図り、なるべくからだを動かして、気の流れをうながします。

▼血瘀の対策

・油っこい食べ物を避ける
・からだを動かす

血の循環が滞ると、内臓や経絡に瘀血ができて、動きが悪くなったり、痛みが生じたりします。また、肌や舌の色も、全体的に暗赤色から紫色に変わります、このような瘀血ができた状態を「血瘀(けつお)」といいます。血瘀を防ぐためには、なるべくストレスをかかえないようにします。また、油っこい食事を避け、積極的に運動をおこなって、血流を改善します。

▼水滞の対策

・からだを冷やさない
・利水作用のあるものを食べる

水のめぐりが悪くなると、停滞した水から飲(いん:さらさらしたもの)や痰(たん:ドロドロしたもの)が生じて、ますます循環が悪くなります。からだのむくみや重さ、頭重感、めまい、吐き気、下痢などの、水滞の症状が現れたら、からだを冷やさないようにして、胃腸の働きを助けます。また、利水作用のあるものを食べて、水の代謝を改善します。