家相学 17

地形 1

これは地質とは関係なく、いわば地の形そのものの幾何学的な問題であります。

平面的に形を大きく分けますと、丸、四角、三角の三つになります。この中で地形的によいのは四角で、それも正方形より長方形のほうが好ましいです。その理由は、建築技術の関係からと、形はひとつの性格を持っているという考え方から説明されます。四角な地形は、性格とか、勤勉という心を表していて、人にそういう気持ちを与えてくれるのであります。

丸い地形は無いかもしれませんが、三角の地形はあります。ただし、三角はあまり感心できない地形であります。それは、鋭角に災いされるからであります。四角も角には違い無いですが、三角に比べれば鈍重であり、90度程度の角は、あまりカドがたちません。ところが、90度以下の角は、やはり見る人の心を鋭くさせるという心理的作用があり、これは神経的によくありません。鋭くとがった鉛筆の先やペン先が自分のほうに向けられると、何となく気持ちが不安定になり、恐怖を感じるのと同じであります。

人間は、順応性が発達していて、周りの力に左右されやすいですが、そればかりではなく、すぐ慣れてしまう動物でもあります。このように人間は、良きにつけ悪しきにつけすぐに順応し、それに慣れてしまう性質を持っていますので、環境をよくしておかないと破滅してしまいます。順応性の強い人ほど、環境には十分留意しなければいけません。

これをもう少し掘り下げて考えると、人間は五つの官能を持っています。

①視覚官能
②聴覚官能
③触覚官能
④味覚官能
⑤臭覚官能

です。

視覚官能は、眼から入ってくるもので、地の形で説明したとおり、丸や三角形によって感覚が左右されることであります。また視覚官能のもう一つの要素は、色であります。室内の装飾などは、形と色に気を配らなければいけません。

聴覚官能は、調和音と不調和音など、音のすべてを司っています。工場の騒音などは不調和音であり、はじめは嫌だなぁと思っていても、長い間には順応してしまい、麻痺してしまって気にならなくなります。しかし、不調和音が嫌な音でなくなってしまうという状態は精神衛生上感心はできません。

触覚官能は、われわれの肌でありますが、人相でいうと、その象徴は〝まゆ〟に当たる部分であり、まゆは触覚のアンテナのようなものであります。

味覚官能は、食物の種類によって左右されるであります。

嗅覚官能は、香りを担当しています。これも悪臭ばかり嗅いでいますと、脳が働きが悪くなり思考力が鈍くなるので怖いです。

この五つの官能は、どんなときでも、相互に関係して、われわれの生活の中に作用しているのであります。

結局、環境に左右されるものは何かといいますと、この五つの官能の働きなのであります。土質を考える場合にも、この五つの官能を中心として考えていけば、大方の回答は得られるはずです。