家相学 19

家の構造 1

家の構造を考えるには、まず日当たりということを頭に置かなければいけません。太陽熱は殺菌力と物を育てる原動力を持っていますが、度を過ぎれば殺す力に変化してしまいます。

①日当たり

具体的にいいますと、南の太陽と西南の太陽と東南の太陽を考える必要があります。この三種類の太陽のうちでは、西南の太陽が一番暑いです。したがって暖房という点では、南西の太陽と西の太陽は冬にはありがたいですが、夏は大変迷惑なものであります。

一年を総合してみると、結局東南の太陽と南の太陽がよいということであります。この点からも、日当りは、ただ良ければいいというものではないことが分かるかと思います。

②風通し

通風は、家の中の新陳代謝をよくし、腐敗を防いでくれます。

このことは、易をやっている人なら山風蠱を考えてもらえば理解ができるでしょう。風は人の生活に欠くべからざるものですが、植物にもいろいろな作用をします。易の説明を借りれば、中庸と過不及とがあります。不及は風のないことで、過のほうは逆に害を及ぼす台風のことであります。つまり、このどちらも好ましくなく、中庸でなければいけないということであります。

また、風もどの方向から来る風をたくさん入れたほうがよいか、それによってどこに窓をとったほうがよいかということを、合わせて考える必要が出てきます。窓さえあれば、風の通りがよいと考えるのは無知で、その風の通り方が重要な意味があることに気づいて欲しいです。

③寒暖調和

家は服と同じ役目であり、一年を通じて、冬服、夏服、合着と変化できるものでなければいけません。夏は涼しく、冬は暖かく作るにはそれ相応の設計がいります。そうかといっても、冷房、暖房をむやみに効かし過ぎるのは、エネルギーの代謝が不合理になり、体力の衰弱のもととなるので、気をつけなければいけません。なんといっても、人間の一定した体温を基準に、寒暖の調和をしていくのが一番良いのであります。

④実用的であること

家はまず天地の恩恵を受けるのに都合がいいという点から考えていくことが必要で、目先の実用一点張りでは近視眼的でよくありません。要するに使いがよく、実用的につくることですが、天地自然の恩恵を合理的に生かすことが大切であります。これが本当の合理性で、目先だけの合理主義は無意味であります。広い意味での実用性を考えに入れて、家を設計しないと片手落ちになります。