漢方講座 39
▽胃痛・胃もたれ・胸やけ
日常、よく経験する胃の不調。病院で検査しても胃自体の異常は見つからないのに、胸やけがしたり、食後に胃がもたれたり、ちょっとしたストレスすぐに胃が痛くなったりすることがあります。
西洋医学では機能性胃腸症と診断されることが多いのですが、漢方医学的にみるとそれは気のめぐりの異常や、水の停滞、胃にこもった熱などが原因であることが多いです。
最近では、六君子湯に食欲増進効果など、西洋薬にはない優れた効き目があることも研究で明らかになってきました。
胃腸の調子が良いと、全身状態が改善し、元気に活動できるようになります。症状に合わせて上手に漢方薬を使い分けましょう。
◇ツボで改善
・胃腸の調子を高めて、活性化させる
中脘:みぞおちのくぼみとへそとの中点。胃の真ん中にあるツボで、脾と胃の作用を高める作用があり、胃の症状には特に効果的とされる。
・急な胃痛や胃けいれんの特効ツボ
梁丘:膝の皿の外側上縁の2寸(約6㎝)上。胃けいれんなどの急に生じたさしこみによいとされる。
・消化器の機能を高める
胃兪:肩甲骨の下縁を結んだ高さにある骨から数えて、5つ目の骨のくぼみから1寸5分(約4.5㎝)外側。胃と連絡しているので、胃のトラブルによく効く。
◇食べて改善
胃腸の弱い人は、「食べる胃薬」ともいわれるキャベツや、消化酵素たっぷり含むダイコンなどを積極的にとりいれます。
・食欲を増進させる
そば、カブ、レンコン、ミカン、リンゴ、エビ、ヨーグルト、しょうゆ、トウガラシ、サンザシなど。
・消化管内にある未消化物をとりのぞく
オクラ、香菜、ダイコン、トマト、ニンジン、パセリ、イチゴ、パイナップル、ウーロン茶、サンザシなど。
・胃の調子を正常にする
ハトムギ、キャベツ、ジャガイモ、ナス、ピーマン、ヤマイモ、イチゴ、グレープフルーツ、サンマ、黒砂糖、ナツメなど。
参考文献・引用・2015年・『いちばんわかりやすい漢方基本講座』・成美堂出版