◆東洋医学講座 186
〇心(しん)と舌(ぜつ)
▽五官能と臓器の関係
▼舌は心臓の〝象徴〟
心臓と舌との関係について述べてみます。当然解剖学的にも生理学的にも説明しなければいけませんが、ここでは生理面に重点を置いて説明します。生理的な関係が分かれば、診断に用いれますし、治療方法も自ずと理解できるようになります。
舌の役割は、西洋医学では物を食べて飲み込むという作用をするとしか説明されてないかと思いますが、それを補足するという意味で、東洋医学ではどのような見方をしているかということを説明します。
まず、五官能のうち肝臓が指令し、象徴しているところの触覚・感覚は、一応眉として表れています。そして、心臓は目としています。
東洋医学では、ふつう目が肝臓だといっていますが、ここには肝臓と心臓の二つが象徴されているので、感覚としては、肝臓が眉、心臓が目となります。
しかし、臓器の症状的象徴としては、肝臓が目、心臓が舌になります。ついでに述べますと、鼻は脾臓を象徴しながら、肺臓を示しています。口は脾臓であり、舌は心臓です。耳は肺臓が母体となりながら腎臓を象徴しています。つまり、耳はその人の生まれつきの腎臓のスケール、現在の働きを外側に示しています。
このように、舌をみれば心臓の現在の状態、先天的な状態が分かります。しかし、舌は口の内側にあるので、外側からはあまりよく分かりませんが、舌を包んでいる花弁の口を見ても分かります。また目の力、目の形などからも心臓が分かります。それだけではなく、何からでも分かります。例えば、髪の毛一本からでも、その人の全てが分かる人には分かります。この項では分かりやすい例として、心臓をみるのに舌を挙げました。
▼舌が長い人は長生きする
心臓は根で、外側に見えている舌は心の苗だといえます。苗をみれば、根の状況が分かります。昔の医師は、よく口を開かせて舌を見たものですが、最近は舌診をする医師は少ないようです。しかし、舌の状態は重要な情報収集としての役割を持っています。
心臓がおかされてくると、舌の先がしびれて、感覚が薄れてきます。心がどんどん病んできますと、舌が巻いて発声しにくくなり、舌が引き伸びず短く縮んできます。舌の長いのは心臓が丈夫な証拠です。舌が長い人は、長生きをするともいわれています。子どもは割と長いものですが、年をとるに従って伸びなくなります。蛋白体は老化すると縮んで自由に伸びなくなります。関節が曲がらなくなるのも、筋肉の硬縮状態であります。