眉毛の存在意義

眉毛の存在意義

思春期に生えてくるであろうわき毛や陰毛はなぜ存在するのでしょうか?これらの毛はムダ毛とも呼ばれ、特に女性は脱毛に四苦八苦するものですが、その存在意義についてはこんな説もあります。

サルの赤ちゃんは、母親の毛を握ってしがみつきます。同じようにして、ヒトの先祖の赤ちゃんが手でわき毛を、足で陰毛をつかむと、口に位置がちょうど乳首の位置にきます。そのため、その場所のの毛が残った、というの説です。

しかし、この説は四足歩行で移動しているサルの母親に赤ちゃんが手足でしがみつく習性と、ヒトの腋窩と陰部に毛が生える事実をくっつけただけの思いつきであります。四足歩行をするサルでさえ、授乳する場合はじっとしています。

それよりも、わき毛や陰毛の役割は、異性への性的なアピールのための要素が強いと考えられています。そもそもわきや陰部は手足のつけ根にあたります。そしてそこには、アポクリン線というにおいのもとになる物質を出す汗腺が集まっています。ここに毛が生えていれば、汗が溜まりやすくなり、より強いにおいを放ちます。これが異性へのアピールになっているというわけです。

ヒトは他の動物に比べて視覚が発達して、その代わりに嗅覚が衰えましたが、嗅覚を今よりも利用していたころの名残が、毛という形で今でも残されていると考えられています。

では、まつげや眉毛にはどのような存在意義があるのでしょうか?まつげには、目に異物が入らないようにする役割があり、眉毛には額から汗をせき止める役割があると考えられています。また、鼻毛や耳毛も、鼻や耳の穴に異物が入らないようにする役割があります。

顔には目や鼻、耳などの感覚器が集まっていますが、顔に残る毛は顔にあいた窓であるこれらの感覚器の網戸のような存在といえます。

顔の毛は、ネコやねずみの顔などに生えている触毛の名残だというせつもあります。触毛とは、触れるとそこにつながっている神経が敏感に反応する毛のことです。触毛が周囲に触れるかどうかで、夜や地中の暗い場所でも、そこが通り抜け可能かを見極めることができます。

参考文献・引用・2002年・『人体完全ガイド』改訂第2版・ニュートンプレス