不妊の原因

不妊の原因

日本では、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は、全体で18.2%、子供のいない夫婦では28.2%であります。

不妊症は女性にその原因があると思われがちですが、実際はその40%ほどに男性が関わっており、不妊原因が特定できない原因不明不妊は約15%であります。

男性側の不妊原因の多くを占めるのが、精子をつくる機能の障害です。精子の数が少ない場合を乏精子症、精子が全くない場合を無精子症といいます。また、精子が正常につくられても、性液に混ざらない場合や、精子の運動能力に問題がある場合にも、不妊の原因となります。

女性の不妊の原因は、排卵障害、卵管障害、子宮障害に大別されます。

排卵障害は、ホルモンのバランスがくずれるなどして、卵子を含む卵胞がうまく育たなかったり、排卵されなかったりする状態です。

卵管障害は、卵管が閉じたり幅がせまくなったりすることで、精子が卵子に出会えなくなる状態であります。

感染症の性器クラミジアなどで多く見られます。月経血の逆流などで子宮内膜組織が卵管、腹膜、あるいは卵巣に生着し、癒着など引き起こす子宮内膜症も不妊を引き起こす要因であります。

子宮障害は、子宮体部の障害と子宮頚管の障害に分けられます。子宮体部に子宮筋腫などの腫瘤ができると精子の遡上が障害されたり、受精卵が着床できず、不妊になることがあります。また、子宮頚管を満たす頸管粘液の異常(粘液の減少、粘液の酸性化、精子に対する抗体混入)によっても、精子の遡上が妨げられることがあります。

参考文献・引用・2002年・『人体完全ガイド』改訂第2版・ニュートンプレス