男の子か女の子か?

男の子か女の子か?

男になるか、女になるか。それは受精の段階で決まっています。ヒトの細胞の核には、遺伝情報を担う染色体が46本(23対)あり、そのうち23本が精子由来、残りの23本が卵子由来です。46本の染色体のうち、2本は性染色体とよばれ、X染色体とY染色体があります。男性はX染色体を1本とY染色体を1本もちます。女性はX染色体を2本もちます。

卵子は必ずX染色体を1本持ちますが、精子にはX染色体を1本もつものと、Y染色体を1本もつものがあります。X染色体をもつ精子が受精に成功すると、女(XX)が生まれます。Y染色体をもつ精子が受精に成功すると、男(XY)が生まれます。ただし、受精後第7週ころまでは、生殖器に男女で差は見られません。いわば見かけ上、雌雄同体であり、このあと、XYの性染色体を持つ胎児は体が男性化していき、XXの性染色体をもつ胎児は女性化していきます。

第7週頃までは、男女とも未分化性腺を持ちます。男児では、この未分化性腺が、精子をつくる精巣に変化します。胎児の精巣の中では、のちに精子のもととなる細胞が大量生産する精祖細胞がつくられますが、精子をつくる過程は思春期まで停止することになります。精管(精子を尿道に送る管)のもととなるウォルフ管(中腎管)はその後退化していきます。一方、女児では、未分化性腺が、卵子をつくる卵巣に変化します。卵巣の中では、のちに卵子となる卵祖細胞とそれを取り囲む細胞からなる原始卵胞がつくられます。卵管や子宮などの元となるミュラー管(中腎傍管)は退化してしまいます。

参考文献・引用・2002年・『人体完全ガイド』改訂第2版・ニュートンプレス