鍼灸オタクは早死にする 423

腎兪のすごい力

疲れの取れない原因は副腎疲労のせいかも

〇副腎疲労の一要因は腸内の炎症

仕事などのストレスで胃腸の消化力は落ちることがあります。そこに、過剰な糖分や肉食、アルコールの摂取が加わると、腸内環境は悪化します。

新社会人が入社数カ月で副腎疲労になるケースがあります。この場合は、入社後のストレスだけではなく、すでに腸の健康状態が悪いということが考えられます。その原因として考えられるのは、学生時代からの食生活が悪かったことです。

さらに社会人になり、仕事の忙しさが相まって、パンや麺類に偏る食生活になりがちです。また、「肉を食べれば元気になるはず」と考えて、肉中心の生活になり、さらに腸内環境を悪化させる可能性があります。

副腎疲労に人の便を検査しますと、たいてい腸内に炎症を起こしていることがわかり、さらに「リーキーガット症候群」、別名、腸漏れ症候群を併発していることがあるようです。

リーキーガットとは、腸の壁に目に見えないレベルで穴があいている状態をいいます。

食べ物は、口、食道から胃を通り、十二指腸、小腸、大腸を通って、最終的に肛門から不要なものは排泄されます。食べ物の栄養素は、主に胃や十二指腸、小腸の消化液で分解されて、さらに、大腸の腸内細菌でも分解されます。そして、細かく分解された栄養素は、小腸と大腸の壁から吸収されます。

この時、小腸と大腸の壁では、吸収すべき体に必要な栄養素と不必要なもの、もしくは吸収すべきではない成分や毒素などと、腸の壁にある上皮細胞や免疫分子などが選り分けます。吸収すべき体に必要な栄養素は、さらに極小の分子まで分解され、腸の壁から積極的に体内に吸収されます。

そして、体に不必要なものである、大きな分子のままであるたんぱく質などの未消化物や有害物質、病原菌などは、体内に入らないように腸の壁の前でシャットアウトされます。この働きは、腸の壁の細胞同士が密接に結合しているためです。

しかし、リーキーガットになりますと、腸の壁の細胞の密接な結合がゆるくなり、穴があいた状態になります。すると、吸収すべきでないものが腸の壁まで入り、血液に乗って体内をめぐります。これを「腸が漏れる」という現象です。

異物が入った腸の壁では、炎症反応が起こり、免疫も過敏な状態になります。そのため、リーキーガットは、副腎疲労やアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー症状が引き起こされます。

参考文献・引用・2020年・『疲れが取れない原因は副腎が9割』・フォレスト出版