鍼灸オタクは早死にする 379

体からのSOS

普通に歩くだけで息切れがする

心不全

普通に歩くだけでも息が苦しくなる場合、心臓の病気である心不全が疑われます。

心不全とは、血液で酸素をうまく全身に循環できていない状態です。心臓は全身に血液を送って酸素と栄養を届けていますが、酸素がうまく回らないと脳も体も動けません。そのため、息苦しくなってしまうのです。

心不全になると満足に外出ができなくなり、活動が減って寝たきりになってしまうことも珍しくありません。

日本では4階までの建物ではエレベータをつくらなくてもいいという法律があります。4階までなら普通に歩いて上れるという考えがあるからです。ゆっくり階段を上っているのに、2階や3階で一息つかないと上れないのであれば、心不全が疑われます。なお、4階まで休みなく上れるが、ハアハア息が苦しくなる人は、不摂生もしくは運動不足です。

心不全の症状としては、夜、上を向いて寝ることが苦しいことが挙げられます。仰向けで寝ると、心臓がまんべんなく血液を体中に送ろうとして、送り出す血液量の増加により、心臓に負荷がかかるためです。体を起こすと、下半身の血流が滞り、めぐらす血液量が減るために、心臓の負担が減ります。そのために心不全の人は、病状が悪化するにつれて、ベットの背もたれに寄り掛かるようにして上半身を起こして寝るようになります。

また、心不全になりますと、夜間頻尿の症状が出ることもあります。夜中に何度もトイレで起きて、しかも息が苦しい人は心不全の疑いが濃厚です。

同じように呼吸が苦しくなる病気に慢性閉塞性肺疾患がありますが、こちらは爪の色が紫色になるのが特徴です。心不全は血流が悪くなるのでむくみが出ますが、肺疾患ではむくみが起きないという違いがあります。

〇何科に行くべき?

内科/循環器内科

〇予防のワンポイント

循環器系の病気は、特に日常の生活習慣が影響します。適度な運動を心がけて、食事は塩分を控え目にして、アルコールの摂り過ぎに注意します。なお、心不全が疑われる人は、心臓の負担を減らすために、入浴はぬるめの40~41℃の湯で10分以内にしましょう。

参考文献・引用・2020年・『放っておくとこわい症状大全』・ダイヤモンド社