花粉症

東北や北海道地方に、古い方法を用いて集団で狩猟をしている人たちがいます。彼等はマタギと呼ばれ、狩猟のときは山中で数日にわたって過ごすこともあるそうです。東北の山々にはたくさんの杉の木が生息していて、花粉にさらされる機会が多いかと思いますが、マタギで花粉症の人がいるという話は聞いたことがありません。花粉症に対処するヒントがマタギの生活にあるのではないか私は考えます。

そもそも、花粉症のひどい人とそうでない人の違いはなんでしょうか?それは体内の免疫バランスが保たれているかいないかの違いなのです。免疫の働き、特にリンパ球の数が増え、アレルゲンである花粉に対し過剰に反応する症状が花粉症なのです。リンパ球は、ウィルスなど微小な抗原を排除する免疫にとても大事な細胞です。そのため、リンパ球を含めた免疫反応が弱くなると、異物の侵入を防げなくなったり、がん細胞など体に不必要なものを壊すことができなくなったりします。一般的に、花粉症対策はこの過剰になった免疫の力を下げる薬を飲むことで対処されます。しかし、免疫力がバランスのとれた状態に保たればいいのですが、薬を継続して飲むことで免疫力は低下の一途をたどります。その結果免疫が下がることによって他の不調もきたすことになります。

リンパの数は季節や日内リズムで変化します。春から夏に向けてリンパの数が増えます。また、リンパ球は

  1. 運動不足
  2. 肥満
  3. 炭酸ガスの吸入
  4. 甘い物の食べすぎ
  5. 添加物の過剰摂取
  6. 過保護

などの条件で増えます。たとえば、仕事の後にビールなどの炭酸飲料を飲むと増えます。季節的な要因と生活習慣の不摂生が合わさり、花粉症は発症しやすくなります。

花粉症のときは、鼻や目、そして喉などの粘膜が存在するところが反応します。粘膜に付着した花粉をリンパ球が外に排除しようとするからです。人体の中で、一番広い面積を持つのは小腸の粘膜です。小腸には、消化吸収の過程で消化酵素によって分断された細かい粒子が体内に侵入する危険性を、リンパ球で排除する働きがあります。便秘で異物が腸内に常に存在したり、下痢で異物を排除する働きが過敏になっていたりなど、腸の働きが悪い人は花粉症が悪化します。ヨーグルトが花粉症に効果があるというのは、腸内環境を整えるからではないかと考えます。

冒頭で書いたマタギの方は、自然に順じた生活をします。自然に順じた生活とは太陽のリズムと同じ用に生活をするということです。日が昇ると同時に活動をして、日が沈むと同時に活動をやめるということです。現代人の生活リズムは深夜遅くまで活動し、疲れた体を朝に無理やり動かすことを繰り返したり、旬でないものや人工物を食したりすることで、体に大きな負荷をかけます。このようなとき、からだは強い防御反応を起こし、異物を排除する力を高めます。

花粉症には、バランスの崩れた免疫を改善する必要があります。ただ、社会生活を過ごしていますと、悪いと思っていても改善できないことが多々あるかと思います。鍼灸治療は、免疫のバランスを整えると同時に、不快な症状の緩和をさせます。そして、すぐにも改善できる生活習慣の指導をさせていただきます。苦しまれている方はどうか一度お試しください。