運動と病因

運動と病因

地上の生物である動植物は全て、各々動きながら生息しています。人間は動物に属し、植物に比べて動きが激しいです。また、動物とは動くものであるから、動かないで静止していることは生成の理に逆らって、健康によくありません。

〇体力の応じた運動

体力に応じた運動とともに、体質に応じた運動量があります。各五系統に分類して簡単にまとめますと、

木系タイプ・・・このタイプは筋肉が発達しているので、運動好きで、運動神経も発達しています。敏感に動き、運動にも強いです。多少過運動してもよいです。

虚証は、短距離の小刻み運動が向きます。

火系タイプ・・・心旺で、短距離・短時間にはよいが、長距離・長時間にわたることは苦手で、心臓にもよくありません。また腎が強ければ持続性がありますが、腎が弱ければ小刻みの運動が適しています。

虚証は、あまり無理した過運動はよくありません。

土系タイプ・・・体力の割に疲れやすいタイプで、小運動を持続するのはよいですが、急激な過運動は腎を傷つけます。

虚証は、体力により少し上回るマイペースはよい。

金系タイプ・・・覇気力の強いタイプで長距離型であります。多少の過運動は平気です。

虚証は、急激な動きと体力を大幅に上回る運動はよくありません。

水系タイプ・・・小運動を持続的に行うのはよいですが、過激な運動を連続することは腎を害するのでよくありません。

運動方法は、柔軟体操や駆け足などをからだに無理を駆けず、全身が機能的にスムーズな運動できるものがよいです。また、駆けることは歩くことよりも強制呼吸ができて、肺呼吸をはじめ、皮膚呼吸も活発になり、末梢の細胞にまでくまなく酸素吸引ができるものがよいでしょう。

〇運動の時間帯

人間は動物で、動くものなので運動しないといけません。だからといって、いつ運動してもよいとは限りません。動物でも、動の時間帯と静かにしている時間帯が、秩序よく定められているのであります。

動の時間に静止し、静の時間に動するのは、自律神経の失調をはじめあらゆる障害につながり、この違反を繰り返し積み重ねると、病気をつくる因となります。

自然の律動に従って、陽気がめぐっているときは動き、陰気がめぐっているときは休むことが必要なのであります。

・・・全身の発動期で、柔軟体操から徐々に運動を強めていくのがよい
・・・運動最盛期で、仕事と運動に活発に動いてよい
・・・余勢期で、仕事や運動によって片寄った体力を均等化し、明日への整備のために軽い運動や体操はよいが、過運動やマラソンなどはやめたほうがよい