西位の大気作用

▽西位の大気作用

①一日の配当

西の方位は夕方に当たるところであります。太陽に焼かれて殺気立った大気も、太陽が傾くにつれて落ち着いた状態に帰っていきます。

物事なんでもそうですが、順調にスタートしても、中だるみというときがあります。それが三時の鬼門に当たります。

しかし、どんな物事でも経験が多くなってくると、調子が出てきて安定してきます。身体にも抵抗力が出てきて、ちょうど走り出した車のようにスムーズになります。西位はこの安定への突入時期にあたっていると見ることができます。

②四季の配当

これは秋の季節で土気盛んだった時期も終わり、朝夕冷却が増して大気が落ち着きつつあるときであります。また、天高く馬肥えて夏に弱り切った体力もここで回復を見せます。

③大気作用

真西、正中線よりも南に15度、北に15度の合計30度の範囲です。すなわち、窒素性の大気で春よりも酸素が少ないです。東と東南でせっかく多量の酸素を発生させても、太陽の熱によって酸素が浮上して、結果的には酸素が少なくなっています。

一方では、植物が枝葉を枯らし、生気は根に帰り、その呼吸も消極的になって、あまり酸素を発散させません。そのようなところから、この季の大気は春の酸素性に比較して、窒素性の大気となるのであります。

この窒素性の大気はものを赤くする性質があります。したがって、西側に物を置くと赤茶けてきます。これは、一年にとって秋であり、秋になると植物が赤くなることにつながります。

春の酸素性の大気は生気を生み出すのに対して、秋の窒素性の大気は植物の枝葉を赤く枯れさせ、果実を老熟させるように人間をも老いさせる働きを持っています。しかし、一方では収穫物を熟させて物を豊富にさせる一面を持ち合わせています。

そういう働きと太陽が没して隠退することからの意味は、老成隠居、隠退、収穫、物資、金銭、財、金融、銀行、沈む、欠ける、中途挫折、不平、不満、その他では、遊芸、趣味、贅沢、色情、口、飲食、口舌、口論など口の関係につながります。

人に当てますと、少女、娘、若い女性、副次的には若い男の子とみます。したがって、西の方に欠点がありますと若い娘が贅沢になったり、あるいは遊びが多くなったりするのであります。

病気としては、呼吸器疾患をはじめ、口腔疾患、歯痛、頭痛、言語疾患、婦人病、花柳病、便秘の兆候がみられます。