鍼灸オタクは早死にする 899


◆東洋医学講座 216

〇心と微音

微音とは、タチツテト、ダヂズデド、ナニヌネノ、ラリルレロの舌音であります。微音のタ行、ダ行、ナ行、ラ行の舌音は、心臓に深い関連をもち、適切に発生される場合は、心臓を賦活し、心運動を助けます。しかし、過剰発生するときは心を亢進させ、心を傷めます。また、この音の発生が不正常の場合は、心臓の働きが異常であることを知ることができます。

音波の原理は、自然の真理より成り立っているといわれています。

▽心臓と発声音との関係

音は木の作用で、肝系の働きです。その音種がさらに木火土金水に分類されます。

心臓は微音、すなわちタ行、ダ行、ナ行、ラ行の舌音です。微音によって心臓は影響され、刺激されます。これは他の臓器よりも多く、という意味であります。

一応、五行音を比較しますと、木は牙音のカ行です。発声するときに、犬歯のところに力が入るためです。カ行がなぜ肝臓に関連するかはよく分かりませんが、おそらく呼力を強く吹き出すようにしないと、カ行の発声ができないからだと考えられます。

土は宮音であります。ア行、ヤ行、ワ行のことで、喉の奥い力が入ります。これは脾臓系なので中央にあります。したがって母音です。

金は商音で、歯音であります。サシスセソと門歯にかかります。門歯が抜けたり空いたりしますと、サ行が上手く発音できません。サ行が上手く出ない人は、肺系が弱いということが分かります。

みな同じ言葉で同じように話しているようでも、ひとりひとり発している音やアクセントが違います。これは、五臓のバランスが皆違うからであります。自分では完全な発音をしていると思っていても。案外どこかに強弱ができているものであります。

最後に水は、羽音であります。ハ行、マ行の唇音です。これは唇の先にかかる、つまり唇を震わせて発声しています。唇がなぜ腎臓と関連しているかは分かりません。人相学的にみますと、唇は腎系の生殖器、肛門を表しています。相学でいいますと、唇と鼻の間に溝を人中といいますが、これは産道や尿道を示します。男性の場合は精管や尿道を示し、男性のシンボルは鼻が示します。性病などにかかりますと、その血色は唇に現れます。したがって、唇は生殖の基、つまり腎を示しています。

歯音は、比較的呼吸がのどの奥から広く出される感じです。「さぁ」といってみれば分かるかと思います。力が気管支の方から出てこなければ出ない音です。発声の音が違いますと、力が出る場所も異なります。やはり、「サ」は肺を多く使います。

以上のことから、発声をする場合は牙音が発生の頭にきたときに発しにくいのは、肝系に力が弱いことが分かります。同じように、舌音の場合は心系、宮音は脾系、歯音は肝系、唇音は腎系に力が足りていないことが分かります。

また、吃音の人は、肝系と心系が過旺となって亢進し、発声するときに呼力吸力のバランスが崩れ、吸力より呼力の方が強いからであります。