鍼灸オタクは早死にする 984


身体訓練法

レッスン11-2

〇意識できる部分を手がかりにして無意識部分をとらえる

▽想像上の指先でふくらはぎを押さえる

うつ伏せになります。両足を伸ばし、背骨に対して左右対称になるように楽な位置に広げます。両手を重ねて、顔の前の床に置きます。額をその上にのせます。

指先で誰かが右脚のかかとを押し、それをかかとから膝の方へ、ふくらはぎの上を移動させていると想像します。押す力は脚の骨の硬さを感じとれるくらいです。想像上の指先は左右ずらさないようにします。次いで足とつま先をピンと伸ばして、かかとを真上に向けます。

▽鉄の球がお尻とかかとの間を転がる

鉄の球が一つが脚の沿って、かかとから膝の裏まで転がり、再びかかとまで戻っていくと想像します。鉄の球は想像上の指先がたどったと同じ、抵抗の一番少ない道を通れば、右にも左にも外れることはないでしょう。球が通過する各点をもれなく頭の中で確認して、どこかへ飛び越えて進まないように気をつけます。

指先の圧力と鉄の球の圧力をよく思い浮かべ、自分ではっきりつかみきれない部分を見つけます。この場合は動きは必要ありません。球がさらに転がって、ひざから腿へ、腿からお尻の筋肉、大殿筋まで移動することを想像します。

大腿骨の感じをはっきりつかみ、ひざの裏からお尻まで球を転がします。お尻に近づくと球がどの方向へ進むか分かりにくくなります。脚を持ち上げた場合、どちらへ球が転がるかを考えます。玉を膝に戻してからかかとまで、そこからまたお尻へと転がし続け、途中の道筋の各点が全部はっきりとらえられるようになるまで繰り返します。

▽左手の甲の上の球

左腕を前方に伸ばし、肘を少し曲げて楽にして、手の甲に同じ重さの鉄の球がのっていると想像します。

球が落ちずにのっている場所を見つけます。それを肘の方へ転がします。肘まで転がり、再び元へ戻っていく正確で安定した道筋を想像します。次いで同じ動きの線を通って、誰かの指先が移動する様子を想像します。

同じく肘から肩までの間でも、鉄の球と指先の道筋をはっきりとつかみます。それをまた手の甲に戻し、また手の甲から肩へ、肩から肩甲骨へと転がします。この場合、球が最後にどの方向へ向かうかははっきりつかめません。

▽再び右脚へ

右脚に戻ります。かかととふくらはぎを心持ち床から浮かせて、脚の裏側を球が転がるときの道筋に沿って、その接触点を想像します。球はゆっくりと、ひざから腿の方へ転がし、お尻のところまで来たら、そこからどちらへ転がるかを確認します。

以上の道筋を球が転がるとき、左肩の筋肉がそれにつれてどんな働きをするのかを確認します。