◆東洋医学講座 62
〇社会における五気の働き
◇水気系統
「水」は、冬の働きに象徴され、秋の涼気に一層加冷して、地上の万物を凍結してしまうとともに、地中に新たな生命の発生を胎養します。外面凝結、内面胎養の働きを持っています。
この水気が中心になってつくられているもの、したがってまた、水気的性格を強く持っているものの例を挙げますと、以下の通りであります。
●自然現象 ー 水気、水滴、雲、雨、霜、雹、霧、霞、氷塊、川、河、海
●作用 ー 求引する、凍結する、陥らせる、下る、流れる、蒸発する、伏蔵する、浸みいる、濡らす、潤す、冷却する、団結する、辛苦する、考える、悩む、病苦する、溺れ迷う
●象意 ー 隠伏、溺惑、思想、思考、憂慮、矯正、法律、妊娠、胎養、月、志、疾病、困苦、下落、苦悩、沈殿、盗難、災難、水難、女難、穴、暗い、忍耐
●物象 ー 液体類、酒、薬、輪、弓、暗室、井戸、河川、海、石油、ガソリン、毒物、ジュース、サイダー、漬物、インク
●場所 ー 川辺、海浜、湖畔、水辺、病院、治療所、遊戯所、温泉場、待合、喫茶店、地下室、牢獄、水道局、消防署、貯水池、ダム、洞穴、宴会所、花柳街、葬儀場、浴室、サウナ、キャバレー
●職業 ー 検事、弁護士、判事、医師、治療師、酒屋、クリーニング業、風呂屋、漁師、魚屋、牛乳屋、薬屋、飲食業、バー、キャバレー
●人象 ー 次男、哲学者、学者、陰険な人、悪いことをする人、毒のある人、苦労人、苦しんでいる人、ものごとに溺れる人、スパイ、遊女、ホステス、妊娠、愛人、囚人
●性格 ー 長所をもつものは、知恵があってものごとに考え深く、慎重で、苦しんでいる人や困っている人を見ると慈悲心が起きる。短所をもつ人は、内気的で臆病で、色情面が強い。体が弱く、理屈っぽくて嫉妬心が強い。目上に逆らい、悪事をたくらむ
●四気 ー 冬
●温度 ー 寒い（厳寒期＝関東地方平均温度３度）
●一日 ー 夜
●方位 ー 北
●大気質 ー 塩素性大気、寒気
●星 ー 水星
●十干 ー 癸、壬
●十二支 ー 亥、子
●易卦 ー 坎
●生成数 ー 一、六
●五臓 ー 腎
●五腑 ー 膀胱
●五主 ー 骨髄
●五官 ー 耳（二陰）
●五華 ー 髪
●五液 ー 唾
●五志 ー 恐・驚
●五脈 ー 沈脈
●五音 ー 羽音、唇音（ハ行、マ行）
●五声 ー 呻（うなる）
●五色 ー 黒
●五味 ー 塩味
●五香 ー 腐
●五穀 ー 豆
●五菜 ー 藿（もやし）
●五果 ー 栗
●五畜 ー 豚
●五神 ー 志
●五徳 ー 智
●五変 ー 慓（ふるえ）
●五役 ー 液
●人体部位 ー 耳、鼻孔、肛門、子宮、尿道、血液、腎臓、膀胱
●病症 ー 耳病、咽喉痛、鼻病、腎臓病、痔疾、性病、婦人病、水腫、酒毒、憂鬱病、冷症、ノイローゼ
