鍼灸オタクは早死にする 832

身体訓練法

レッスン3-5

▽動きの基本的特質

▼不必要な努力はからだを短縮させる

●どうすれば楽に動けるか

うつ伏せになり、両腕を頭上に伸ばして開き、両脚も広げます。ゆっくりと右腕と右脚を一緒に持ち上げます。腕と脚を上げるときに頭が、右を向いているか、左を向いているか、それとも真下を向いているか、と位置に注意します。そして、吐く息に合わせて腕と脚を持ち上げます。最初に右頬を床につけて、つまり左を向いて、この動きを繰り返します。次に額を床につけ、最後に左頬を床につけて、同様に繰り返します。

この三つの姿勢のときに必要な量を比較し、どの姿勢が一番やりやすいかを判断します。多少とも調整が上手く出来ているからだでしたら、左の頬を床につけたときが一番楽な姿勢になるでしょう。動きを25回くらい繰り返し、床にかかるからだの圧力が、胃の左側の胸と骨盤の間に移動するのが次第にはっきりしてくるのに注目します。

うつ伏せのまま、さらに右腕と右脚を先ほどと同じように持ち上げる動きを続けるのですが、今度は動きに合わせて頭を持ち上げて、手の動きを目で追うようにします。25回繰り返した後、あおむけになって休息をとります。

次はあおむけのまま、先と同じように頭と一緒に右の腕と脚を上げる運動を繰り返します。レッスン前に比べて、床に横たわるからだの状態がどう変わってくるかに注意を向けます。一番強い力がかかるのはどこかを正確につかみます。そして、25回この動きを繰り返してから、休息します。

●どちらの眼の開きが大きいか

立ち上がってしばらく歩き回り、からだの右側と左側の感覚の違いや両腕の重さと長さのはっきりとした違い、両脚の長さの違いを確かめます。

次に顔を調べます。鏡で見ますと、顔半分が生き生きして、そちら側のしわやひだが目立たなくなり、一方の眼がもう一方の眼より大きく開いているのが分かります。どちらの眼でしょうか?

今までそれぞれの動きの後に点検のときに、からだの片側の腕と脚が、反対側の腕と脚よりもだんだん長くなってくることに気がついたかどうか思い出してみます。からだの左右の感覚に差異を押さえつけようとせず、できるだけ持続させ、次第に弱まって、最後に消えてゆくまで観察を続けます。悩み事や極度の緊張のような注意力を乱す妨害に出会わなければ、この差異は相当長時間、少なくとも数時間ははっきりと残ります。その時間の間、からだのどちら側の働きがよく、どちら側の動きが滑らかにできるか観察します。

●左の動き

今までのレッスンで詳しく述べた動きを、からだの左側で繰り返します。

●対角線の動き

からだの左側を使った動きが終わったら、右腕と左脚を一緒に、できるだけゆっくりと持ち上げ、この運動を25回繰り返します。脊椎骨と肋骨の相互の位置関係の変化を確認し、からだの床につく部分が、片側の腕と脚を一緒に上げた後に確認した部分とは全く違っていることをよくつかみます。

少し休息したあとに、左腕と右脚を一緒にゆっくりと25回持ち上げ、終わったら休息します。

次に、両腕と両脚を頭と一緒に、吐く息に合わせて持ち上げます。この動きも25回繰り返します。休息をとった後、頭は床につけたまま、両腕両脚だけを持ち上げます。

以上の動きを組み合わせを、うつぶせになって繰り返します。

最後にあお向けになり、このレッスンの一番始めにしたように、かかとから頭まで、床に接触しているあらゆる部分を観察します。生じた変化を、とくに背骨に沿ってよくつかみます。