人間と大気の関係

▽人間と大気の関係

人間は、空気がなければ生きていることはできません。食物や水も大事な要素ですが、何といっても空気(大気)がなければ、一巻の終わりであります。

その大気と人間との関係を突き止めるには、この大気中には、何という元素があって、そして、人間が生存していくためには、どんな元素が必要であるか知っておかなければなりません。

空気中には、酸素という元素があることは子供でも知っているように、酸素がなければ、人間はすぐに死滅してしまうので、酸素の恩恵は計り知れないほど大きいです。

次に、その大気と四季の関係であります。四季による大気状況を知り、それを上手に利用し、順応していくことが必要であります。それには、天候の運行を知らなければいけません。

まず、一年を陰遁と陽遁に分けます。

陽遁とは、当時から夏至までの間で、十二月二十二日より翌年の六月二十二日までの時期、すなわち、昼が長くなっていく時期であります。太陽が北極に近づいていく時期をいいます。

このことから太陽と空気の関係を分析すれば、まず四季の中で、春の大気は酸素が多量で、物事の成長がふさわしいです。それから夏の大気は、春に引き続いて酸素が多いが、太陽光線が強すぎるため、春より酸素が希薄であります。これは、夏は草木の呼吸で水中の酸素が非常に発散するが、太陽熱のために酸素だけが上昇してしまい、地上での酸素量が減ることに起因します。これを家相では〝裏鬼門〟といっています。

秋の大気は酸素が少なく、窒素が多いので、窒素性の空気といってもいいでしょう。窒素性の空気の働きには、物を凝結させる作用があります。つまり、秋の大気は、木の葉を散らして、養分を凝結させてしまうのであります。それでは人間はこの時どうなるかといいますと、秋には全身の細胞組織がどんどん膨らみ、脂肪を蓄えろという凝結命令が起こります。これは来る冬に対して準備作用となります。四季によって、自分の体内の働きが違うということは、食物を意識的に配分してとるべきだということを教えていることにもなります。

もし、秋に少ししかでんぷん類、脂肪類を取らずに、すっぱいものばかり食べていれば、体の脂肪が少なくなって、冬は寒がりになって、風邪をひくなど、いろいろな障害を起こすことになります。

冬はだいたい耐久生活をしなければいけませんし、草木も眠っているため、大気の中の酸素が減少します。水中の酸素も低温のために蒸発してこないので、ますます酸素が希薄となります。この一月、二月を鬼門月というのは、この危険を知らせる言葉であります。

裏鬼門は、七月、八月を指しますが、一月、二月とともに死亡率が高いです。人間の体温に比べて、外気温の高低が著しく違うということと、酸素が希薄であるという二点が、この鬼門に合致するからであります。