家相学 54

宅地と家屋の張り欠け

〇西の張り欠け

①西の張りの場合

程よく張っているのは、高貴繁栄、財福があって長寿を保ちます。また、よき友を得て、その身を磨き、徳が世に現れます。夫婦和合し、人徳により富み栄え、妻の縁より財産を得る相でもあります。

西の家相が吉相でありながら、なお貧困なのは、井戸、堀、杭の埋もれが近くにあるはずなので、これをとり除けば、福が来ます。

②西の張り過ぎの場合

西が不相応に張っているのは、一時繁栄しても、贅沢をし過ぎて、だんだんに衰微する相です。女子は不貞となります。夫をないがしろにし、家を乱して、争論を重ねる。西張りで、井戸、池、堀、流しなど水気があれば、女子は乱れ、その上、艮(うしとら、北東)に張りがありますと、男数人と姦通し、色情にて家名を汚すことになります。

男側の、艮が張っていて西側が張っていて、さらに水気のある場合は、西を女の性器として、艮側を男の陽物とし、そして水気のあるところから性交の姿とみて、淫乱となり、争論、訴訟、破産、身体不具、情欲満ちて色難を招き、ついには身を亡ぼすということになります。

また、西が張るということは、乾(西北)と坤(西南)の欠けとなります。この西は少女の地であるので、少女の気が強く、父母はこれを矯正することができず、少女は放蕩をして、家名を汚すままになります。また、西には贅沢という意味があるので、贅沢をして身を滅ぼすとみることもできます。だいたいにおいて、西の張りで乾の欠けるのは、父親が早く亡くなるか、亡くならないにしても、父母の気が弱いことになります。

③西の欠けの場合

多少の欠けはかえって福力があって、妻が美人であります。きれい好きな女性であります。家業が盛んになるか、妻女の実家から財産がくることが期待できる。

西の欠けは、乾と坤が張りになっていいます。女徳柔順にして、夫に従う相である。西も女の方位に入っているので多少の欠けは良いのであります。

しかし、たくさん欠けている場合は、姦淫、不義密通、家業を破る、あるいは家出に走る、夫をないがしろにする、争論が絶えない、体の弱い人が出るなどがあります。実りはあっても、色欲のために逃亡しする、印書証文の訴訟、貧困に苦しめられます。

その欠けたところに、池、堀などの水気があって、さらに艮に井戸があれば、不行跡の名が現われて、その井戸で死ぬことになります。張りの場合も悪いが、欠けの場合なお悪いのであります。

病気では、西の欠け、東の欠け、艮の張りは、聴覚障害者が産まれ、西の欠け、艮の欠けでそこに水気があれば、鼻、足の欠陥のある者が産まれます。