部屋の広さと性格

▽部屋の広さと性格

中心者の部屋は、他の部屋よりも大きくすること、その部屋は西北方につくることがポイントになります。いうまでもなく、なるべく中心につくれば八方を見渡せることになりますが、視野の範囲が180度くらい聞いていれば合格とみていいでしょう。いずれにしても家人の状態がよく分かるということが、家族全員の意思の流通をはかるうえの条件であります。

そして、ここで注意しなければならないのは、大きい部屋がいいといっても、家に対して中心の部屋が大き過ぎるのは、かえって精神的な負担になるということであります。あくまでも家全体の構造、構えにあった程度大きさの部屋という意味であります。家に対してあまり大きすぎる部屋は、見た目もおかしいし、中側が空洞になる関係で、地震にも脆いなど構造上の欠陥が出てきます。また、人間は環境に左右され順応する性質を持っているため、不相応に大きい部屋にいると大きいことばかりを考えるくせに実力が伴わないなど、性格がゆがめられる心配も出てきます。

広い野原に立てば、人の心は広々して心理的に物事を大きく考えるようにはなりますが、一面誇大妄想癖も生みます。軽率な人ならば自分の実力を考えないで、大言壮語し、大ボラ吹きにもなりかねません。家を設計する場合には、家人の性格など考慮していくことが大切であります。こうした考えは中心の部屋だけではなく、全ての部屋を考える上で基本となります。

次に大事なのは立体と平面の問題です。つまり、広い狭い、低い高いということであります。例えば、狭い三畳の部屋にタンスを置きますと、なお狭くなります。

このような狭い部屋に住みますと、元気旺盛で心の広い持ち主でも、色々な意味で圧迫観念が芽生えてきます。そして、ものを見る目も近視的になります。つまり、部屋同様に心まで狭くなり、広い考えができなくなってしまうのであります。

それが一年住んだとすれば、ほんのちょっとだと思われますが、365日といえば長く聞こえるでしょう。長く住んでいれば人間はそこの環境に順応するのであります。

だから狭い部屋はそれなりに家具はどのように置いたらいいか工夫したり、白色を壁やカーテンに用いるなど広く感じさせるような工夫したりして、少しでも広く感じられるような研究することになります。

植物でも成長する前に枠を作ってしまいますと、成長期に枠を外しても伸びません。人間にとっても成長する思春期は、とくにのびのび育てなければ、せっかくの人生もつまらないものになる可能性があります。このような点からも、子供の教育と住まいは、非常に重要な関連があるとうかがえます。

部屋の位置やつくりで束縛できるようになります。もし浮気性な人ならば、出来るだけ狭い部屋に住まわせて、大きい心にさせないようにすれば、少しずつ浮気心を直すこともできるようになります。