男性で夜中に3回以上トイレに起きる (前立腺がん)

男性特有の病気に、前立腺のトラブルがあります。前立腺とは尿のコントロールを担う、バルブのような働きをするところです。このバルブに異常が出ますと、排尿のコントロールがうまくできず、尿の切れが悪くなります。出だしはなかなかスタートせず、やっと出てもチョロチョロと尿線が細く、最後もトロトロといつまでもで続けるのです。

ただし、男性は50歳を過ぎれば、誰でも少なからず尿の切れが悪くなります。これは加齢に伴い男性ホルモンの影響で前立腺が硬く、肥大してくるからです。その結果、尿道が狭くなり、尿がスムースに出づらくなります。

また、尿のコントロールに加え、頻尿の症状も出てきます。肥大した前立腺が膀胱を圧迫して、膀胱のスペースを狭めるためです。

なお、前立腺と膀胱による頻尿の違いは、尿の勢いにあります。膀胱の症状は、頻尿と少量でしたが、前立腺の症状は、頻尿と勢いがチョロチョロで時間がかかるという違いがあります。
前立腺の異常がある場合は、勢いがなくなります。一方膀胱に異常がある場合、尿自体は比較的スムースに出るが少量というわけです。ただし、前立腺肥大症の可能性がある高齢男性が膀胱がんになった場合はこの限りではありません。

前立腺肥大は良性疾患ですから、そこまでの心配はありません。ただし、この前立腺肥大症の裏に、前立腺がんが隠れていることもあります。前立腺がんの初期症状は、前立腺肥大症とよく似ていて、頻尿が続くと思ったら、実は前立腺がんだったということよくあるらしいです。

前立腺がんはステージ3までの5年生存率が100%と、特に早期発見・対処が重要ながんです。検査には腫瘍マーカーのPSA検査が精度が高くお勧めです。60歳を過ぎたら、人間ドックの血液検査のオプションとして必ず追加したほうがいいでしょう。

前立腺がんは遺伝的要因が指摘されているので、身内に前立腺がん患者がいれば、50代からPSA検査を受けることをお勧めします。

〇何科に行くべき?

内科/泌尿器科

参考文献・引用・2020年・『放っておくとこわい症状大全』・ダイヤモンド社