油ものを食べたときだけ右わき腹が痛む(胆石症)

お腹の痛みは割と大雑把で、痛みの原因はなかなか判断できません。そんな場合でも、特に気をつけてほしいのは、右わき腹の肋骨の下、指でえぐり込めるあたりの痛みです。食後、特に油ものを食べた後に痛む場合は、胆石を疑ってください。

胆石とは、胆のうにできる石です。なぜ、胆のうに石ができるのかは、消化の仕組みが関係します。私たちのからだは、肝臓が出す胆汁という液体を使って脂質を乳化して、小腸で吸収しています。胆汁は、いざというときのために、5~10倍の濃さに濃縮され、胆のうで一時保管されています。脂肪分が多い油ものを食べたときには、この保管されたところから一気に胆汁が放出されて、分解を手助けします。

この胆汁が、ねっとりと固まって、周りにカルシウムなどが付着してカチカチになったものが胆石です。胆石は、以前は胆のうがんの原因といわれていましたが、現在ではあまり関係していないことが分かり、特に悪さをしないなら、そのまま放置しておいてもよいとされています。

しかし、胆石が胆のうから胆汁が出ていく管に入いると痛みが出ることがあります。油ものを食べて、胆のうが胆汁を出そうとしてギュッと収縮するたびに、石が管を傷つけて痛みを出します。その状態が悪化して、完全に出口をつまらせると、胆のうや胆管がパンクして破裂し、腹膜炎によって命を落とすこともあります。

パンクしてからでは手遅れになることもあるので、油ものを食べた後に右わき腹あたりが痛くなるようでしたら、胆石を疑い、すぐさま病院に行きましょう。

ちなみに、胆石になりやすい人の特徴として、40代、女性、遺伝、肥満の4つがあります。この条件に当てはまる人は、健康診断の際に、オプションで胆のうのエコー検査を加えるといいでしょう。

〇何科に行くべき?

内科/消化器内科

参考文献・引用・2020年・『放っておくとこわい症状大全』・ダイヤモンド社