なぜかまぶたが下がる、物が二重に見える(くも膜下出血)

なぜか急に片方のまぶただけ下がってくる、しかも物が二重に見える。そのような症状が突然起きたら、脳に動脈瘤ができてパンク寸前かもしれません。

動脈瘤とは、動脈にできる血管のふくらみのことで、破裂すると大出血を起こし、命にかかわります。このうち脳の表面にあるくも膜の下にある、太い動脈にできた動脈瘤が破裂することをくも膜下出血といいます。

くも膜下出血が起きると、3分の1は即死、3分の1は寝たきり、残りの3分の1だけが助かって社会復帰できるという怖い病気です。

動脈瘤ができると、めまい、まぶたが下がる、物が二重に見えるなど目に異常が出ます。動脈瘤が目にかかわる脳の神経を圧迫して、異常をきたすためです。また、くも膜の動脈近くにまぶたを動かす神経も走っているので、ふくれたこぶが神経を圧迫すると、まぶたも下がってきます。

この場合も脳梗塞同様に片側だけ異常があらわれます。片側のまぶただけが垂れ下がるような場合は、すぐに脳MRIを撮り、脳の状態を確認したほうがいいでしょう。

脳動脈瘤はいつ破裂するかわからないので、一刻も早い検査が必要です。動脈瘤には破裂直残の兆候がほとんどありません。だから、くも膜下出血で突然亡くなる人が後を絶ちません。

脳動脈瘤が破裂する前に少しだけ動脈瘤が裂け、軽度の頭痛症状が出ます。ズキズキする頭痛が1~2日続くのが特徴で、吐き気を伴うことが多いといわれています。もし、こうした異常が出た場合は、一過性の頭痛だと思わず、一刻も早く病院で検査を受けましょう。

〇何科に行くべき?

脳神経外科/すぐに救急車を呼んでください。

参考文献・引用・2020年・『放っておくとこわい症状大全』・ダイヤモンド社