粉ものを食べて急激に息苦しくなった(パンケーキシンドローム)

シンクの下に置いてあった封の切ったお好み焼き粉で、お好み焼きを作り食べたところ、急激に体調が悪化し、呼吸困難になったという事例があります。

その原因は、開封済みのお好み焼き粉にたくさんのダニが繁殖していて、症状が悪化させた人がダニアレルギーを持っていたためでした。ダニが繁殖していた粉を大量に口にしたため、アナフィラキシーショックに近い症状を起こしたのです。

このような粉ものに潜むダニなどによって起こるアレルギー症状を、パンケーキシンドロームと呼びます。海外でパンケーキを作って亡くなった例があることから、その名がつけられたそうです。

開封済みの粉を調べると、その袋の中には数十万匹のダニがいたケースもあります。ダニアレルギーを持っている人はもちろん、普段は気づかない程度にアレルギーを持っている人でも、これだけの大量のダニを一気に口に入れてしまえば、ショックを起こす可能性があり、最悪死に至ることもあります。

予防としては、ダニを爆発的に繁殖させないように、食品の管理に気を付けることにつきます。ホットケーキミックスやお好み焼き粉の場合は、一度開封したものは、たとえ開封口をテープやゴムでとめても、常温のままで保存しますと、ダニは一気に増える恐れがあります。ダニは粉に過熱をすることで死にますが、ダニの体の成分は残っていますので、アレルゲンとなり体内に侵入しショックが起きてしまいます。

ダニの増殖を防ぐには、開封した粉は冷凍庫に保存することです。冷蔵庫に保存する人もいますが、食品の詰め込みすぎや扉の開閉の回数が多い場合は庫内の温度が高まり、ダニが繁殖することがあります。絶対にダニを繁殖させたくないのであれば、冷凍庫の保存につきます。

ついでに触れておきますと、七味唐辛子はカツオブシムシという虫の好物です。昔ながらの竹の入れ物は絶好の繁殖場所で、密閉度が低いので、虫が容易に入り込み繁殖します。カツオブシムシは体内に入れても毒はありませんが、意図せず虫を食べるのは気持ちの悪いものです。七味唐辛子の保存方法も確認したほうがいいでしょう。

〇何科に行くべき?

内科/アレルギー科/すぐに救急車を呼んでください

参考文献・引用・2020年・『放っておくとこわい症状大全』・ダイヤモンド社