家相学でいう鬼門とは

▽家相学でいう鬼門とは

家というものは、大気に対してどんな役割を果たしているのでしょうか?この疑問を解くカギの一つに〝鬼門〟というものがあります。

家相学でいう鬼門とは、読んで字のごとく、邪(よこ)しまな悪い方向という意味を含んでいて、古書では次のように説明しています。

「鬼門とは丑寅の方、東北隅(すみ)を指す。万鬼(まんき)の集まる所にして、死霊にて満ちている所、故に万病の所とされている方位のこと」

したがって、これは家の中ばかりとは限られません。例えば、京都では昔の王城があった地点から、東北の鬼門に当たる所に、比叡山がありますが。この鬼門を避けるために、延暦寺を建てています。江戸の鬼門は、上野方面に当たりますが、ここでも寛永寺を建てて安全の守りをしています。

鬼門については今後いろいろ綴りますが、大切なのはこの鬼門といわれる方位から、悪い気が侵入してきたとき、そのままなんの対策を施さないでいると、五年という歳月のうちに、どんな好運も衰運へと変化してしまう事実であります。体力や気力がある場合には、守り抜くこともできますが、それも限度はあります。

昔の戦国武将が居城の守りに気を配ったように、われわれもまた自分の根城である家には万全の設計を施さなければいけません。戦国時代の城の最大の敵は押し寄せる将兵であったでしょうが、今日の家では無言の大気であり、それは忍びよるようにして侵入してくる恐ろしい敵であります。