大立地条件

▽大立地条件

土地には、〝四神相応〟の地というものがあります。四神とは、ここでは東、南、西、北のことだと考えて差し支えありません。
この四神相応の地を、四神守護の地と呼ぶ人もいます。神が守護している地というわけであります。

この四神の意味は、次のようなものであります。

①東に青竜の流れ
②南に朱雀の陽気充満の広野
③西に白虎の交通の備え
④北に玄武の山の守

相撲の四本柱でよく知られている青房、赤房、白房、黒房もでたらめについているのではなく、東西南北の方向を示すと同時に、東西南北の四つの神の守護の方位を示しているのであります。

さて、ここで八つの種類の大気をここに当てはめます。

①東に青竜の流れというのは、青流ということで、清い流れのことを指し、水たまりではありません。つまり、酸素を含んでいる、生きている水のことであります。水は、止まれば酸素を失いますので、だんだん濁ってしまいます。あくまで清流でなければいけません。

②南に朱雀の陽気、十万の広野というものは、南は日当たりのよい、陽気充満の方位、この方位に山など陽気を阻止するものがあってはいけません。山でなくても、南に大きな二階建ての家や高いビルがあってもやはりよくありません。陽気の充満した大気が、自分の家に向かっている状態が望ましいのであります。人口過密の都心では、南側に広野などと贅沢は言えません、太陽をさえぎらないだけのスペースは必要であります。

③西は交通の備えが必要であります。

④北は玄武の守り、山の守りといわれています。寒い風が吹きつけるのを、高い山などが防備してくれる地形をさしているのであります。

これらを東京の地形を例に考えてみますと、東に墨田川や中川があります。南は開けた広野ではありませんが海が広がっていて、北より南さがりに開けています。そして、西には東海道があって、交通が開け、北は山の手に守られていて、いわば理想の地ということができます。

このように四つの条件を備えた地を、四神相応の地というわけであります。これが第一に立地条件で、家相の根本的な考え方となっています。

土地を求め、家を建てるときの条件としては、四神相応の地にかなうことが家相の大原則となります。

この原則を日本列島に当てはめてみますと、次のようになります。

関東平野でいうと、東京をはじめとして、太平洋に面した南岸は、だいたい四神相応の地になっています。川崎、小田原、水戸などは四神の好条件を備えた土地ということができます。日本海側の不発展の地の多さは、四神相応の地が根本的に得られないからであります。

地相や立地条件というものは、すぐに人間の力で変化させうるものではありません。しかし、人間の努力、人間の文化というものは、この未開発地に対する野望を捨てきれません。したがって、ときどきとんでもない土地に都市が出現したりします。

そのような土地は安く、絶対お買い得だと思って易をたてると、どうしてもよい易が出ないことがよくあります。どう考えてもそんなことはないと、易に逆らって購入すると、台風が来るたびに必ず屋根が壊れされるなど、計り知れないところに、落とし穴がある場合が多いのであります。

一度震災に遭った土地、水害にあった場所は、二度、三度と同じような災害に見まわれやすいです。土地を選ぶときは、付近をよく調べ、四神相応かどうか、災害はなかったかどうかを土地の古老などに聞いて、調査することも大事なことであります。

普段見ていると、非常に住みやすそうな土地でも、台風が来ると、必ず吹き飛ばされるという家などがあります。この場所は、風道になっているのであります。風道は決して目に見えないので、風はどこを通るか見ただけでは分からないものです。この点もチェックする必要があります。

そのほか、都会地、平地、山地、水辺地、交通路の地、熱帯地か寒帯地などの立地条件によっても、それぞれ建築の仕方を変えなければいけません