門について

▽門について

門について説明します。門は内と外の境で、人と交流をするところの通路であります。そこには内側にも外側にある種の影響を及んでいます。

門が貧弱だと家がいくら大きく立派でも、外側から見た場合は、何となく狭いと貧乏くさい感じを与えます。逆に、庭が小さかったり、家が小さかったりするのに、門だけが不似合いに大きいと、大言壮語的な考えの人の住むところや秘密が守れないなど、どこかオープンすぎる感じを与えます。適宜ということを守らないからであります。

それでは、門のある家と門のない家とはどう違うのでしょうか?

門がないということは、塀と垣根もないということを意味しています。つまり、そのような家は外とのけじめがないために、人が出入りしやすい状態にあります。どこまで公の場所でどこまでが自分の所か、あるいは、どこまでが他人の所かはっきりしません。自分の宅地に他人がどこからでも入ってこられるということは、悪く考えますと気安くされやすいということになります。ステテコ姿で外を歩くのと同じようにエチケット違反であり、けじめがありません。鎧やかぶとを着ないで敵中に立っているようなものといえます。したがって、不和や突発的な事故が起きやすく、家としての権威や貫禄がついてきません。家庭環境も不安定となります。

やはり、癒えは一軒一軒が自分の責任範囲をかたく守るということが必要になります。それには、塀があって門があるというのが理想であります。そうしますと、家は安定し、それによって一家が安定することにもなります。塀と門はこのように大事な役割を持っているのであります。立派な門構えの家は羽織、袴をつけた正装に例えられます。

しかし、門が玄関の真正面にある家は、家人が偏屈で近所づきあいが悪くなる場合が多いとされています。また、お高くとまる傾向もあります。さらにこの家の主人は家を空けることがどうしても多くなるようです。そして、境界線の揉め事などが絶えません。門と玄関は位置を少しずらし、斜めに入るような感じにするのがよいのであります。

また、門のあき幅は、広からず、狭からずで、易でいう中庸が一番よいとされます。普通は150平米メートル前後(約50坪)なら、1.5メートル(5尺)くらいになります。

大きな建物の場合は、大きな正門と小さな通用門をつくるのが普通であります。この場合、建物によって多少異なりますが、330平米メートル(100坪)の土地なら、1.8メートル(6尺)ぐらいの正門と0.9メートル(3尺)内外の通用門を造るのが適当であります。しかし、現代は車の出入り口を兼用する人が多いようです。その場合は、正門を兼用して車の出入り口として使い、場所があまりない場合は、その大門の一部に通用口にとればいいでしょう。

正門は家主より目上の人が来たときや、儀式のときに使用し、普通は通用門を使用するようにすれば家の貫禄がつきます。そして、自然来客の頭も低くなり、丁寧になります。出入り商人や普通の客が正門より出入りするのは、その人たちが威張って入ってくるようになるのであまり感心しません。くぐり戸をくぐらせ、頭を低くして入ってこさせるのがいいでしょう。

①宅地より低い門

宅地より低いところに門がありますと、主人、長男が異性問題を起こし、家をないがしろに外で遊ぶなど、家庭に乱れや妻に不満を起こさせます。また、異性問題だけでなく、家業や本業以外のことでも問題が起こるので、避けるものの一つであります。

②宅地より高い門、継いだ門

宅地より高い門は、次男、三男が家を継ぐ、養子相続となる傾向があります。

また、門柱が木造でも石でも、一度作ったものが壊れ、それを継いだときは、子孫に病災があるとされています。

門を継ぐということは古いものと新しいものとの調和がとれないといけないのであります。また、家の中心となっている柱や壁なども門柱を継いではいけないのと同様の凶相であります。

壁をやたらに抜くことは空気の通流を急変させて、体の変調を起こさせることになります。運気の強い人なら、たした変化は起こらないですが、もし運気が弱っている人でしたら、そのために病気になるので、心がけるべきことであります。

ついでに正門と同じくらいの門が二つある家も、一家二分して、争いが起きやすいということも覚えておきましょう。これはたとえ通用門でも、大きければ門二つということになるので、正門、通用門のバランスのとり方にもつながります。

それから注意しなければいけないことが、門の周囲の樹木に、やたら木を置いてもいけません。門は人でいえば顔や頭に当たる部分であります。女性が頭に差す、かんざしにしても、華美なものと地味なもの、高価なものがあり、それぞれ趣を異にしているように、門の周囲に植える木もその家の様相にあったものを選ぶことが大切であります。