東の張り欠け

▽東の張り欠け

①東の張り

東の張りは程よく張り出ているものを吉とします。程よくとは、張り過ぎていないことで、張り過ぎると両方が欠けとなってしまいます。東の張りの意味は、九星での三碧の意味合い、易での震の意味合いを考えればいいです。

家人発達、子孫繁栄、つまり、家の発達ということであるので、もし会社であれば、会社発展とみればいいでしょう。また、文字を好み、九星では三碧と九紫、易では震と離にとることもあります。

これは、木は燃えなければならないという考え方からきています。名声があがるかどうかは結果をみてのことでありますが、官吏やサラリーマンは目上の引立てを受けなければ、発達繁栄、立身出世はおぼつきません。また、三碧は音であるということから、音楽で立身出世をする人があるとも考えられます。

八方の意味が中心となってきます。八方を主にして考えます。音楽だけではなく、芸術、技術関係でも伸びます。また、一家和楽して名誉ある人を出すことも期待できます。

それから、東は卯の方で、朝日が昇り、万物発生の気が強くて、伸長していくところということから、この方位には土地に余裕を持たせ、空地があった方が陽気を受け入れて、酸素を吸収するのに都合がいいです。東に張りがあり、余裕があれば申し分ありません。

②東の張りすぎ

東側が張り過ぎてしまいますと、これは西側の欠けをも生みます。このような場合には、西側の欠けを加味して考えていかなくてはいけません。

また、東の地形、建物などが高く張り出している場合には、高いものは上に張ると解釈します。これも、全体が高くて東だけ少し高い程度ならば吉相ですが、上に張り出し過ぎているのは良くはなく、長男は生育せず、短命になるなどの誘導を生みます。

東は長男の位置で、張り過ぎは中庸ではないので、長男の放蕩なども考えられます。仕事もやりすぎて失敗をするとか、全てが過ぎてしまうわけであります。〝過ぎたるは及ばざる如し〟のこともあるように、過ぎることはやはり短命や、生育しないなどの意味が出てきます。大望を企てて失敗をしたり、賭博を好んだりする傾向もあります。

また、その家の長男が親不孝で傲慢であると、兄弟が争い、父親でさえ制することができなくなります。家系は次男が継ぐとか、養子家系になる傾向が強くなります。

悪くしますと、色情に走ったり、世間を騒がせたり、家出をしたりなど、さらに、発狂、てんかん、脳膜炎、足腰の病、怪我、事故などが起こることもあります。

この家の主人は、心が変わりやすく、社会面を意味する東がおかされるので、人間関係がうまくいかず、絶交状態になります。

どうしてこの家の人は、大望を企てたり、争いを生じさせたり、決断力に乏しかったりするのかといいますと、東は、人体に例えますと足で、発展を意味します。そこが悪くなるので、西の方の意味合いが加味されてきますと、夫婦の情欲だけ猛烈となり、衰弱から、肺病になり夫が死亡し、妻も死ぬとみられるからであります。

③東の欠けの場合

長男が育たないか、放蕩をする、素行が悪い、ここには社会の敗北者の姿があります。欠けは文字通り、人格の欠けとみられます。使用人は主人をないがしろにしたり、外部からの若い人にへこまされたりします。家人の功名が現われず、万事発展が阻害されます。

また、盲人、眼病を出すこともあります。肝臓系の病気にも弱いです。

そして、遊びにふけり、仕事は怠け、色欲は乱れます。

この欠けは、後妻をもらい、難産、争論、訴訟、食毒、使用人の盗み、異母兄弟を連れて嫁ぐ、などとみます。

ただし、いろいろの条件によって作用する意味が変わってきます。