北の張り欠け

▽北の張り欠け

①北の程よい張りの場合

より幸福になり、日々富み、月々に栄え、農地は他郷まで田畑、山林を進出させます。商家は他市他国に店を出し、遠方取引などに利益を得ます。官吏、サラリーマンは栄転、または順調に進んでいきます。神官、僧侶は他所に分霊、分寺を得て管理職に昇ります。また、文筆を好み、名士ともなります。この家相に住む人は、何をやっていても、衆人の上に位して、幸福を招きます。

②北の張り過ぎの場合

北位が大いに張っているのは、乾(北西)、艮(東北)の欠けとなるので、大凶相であります。主人はその権威を失い、部下が主人の財を盗み。長男は生育しません。要するに養子家相であります。そして、この家の男子は、他家を相続する、家に帰らないことが多くなります。

また、妻女が夫ないがしろにして、世間の悪評を招き、部下、目下と不義姦通のおそれがあり、流産する、淫婦を出すなどがあります。母方の散財が多く、遠方の損失、溺死、遭難、貧窮にあいます。

男の力のない相で、妻の働き盛んになる、坤(西南)の張りと意味合いが似ていますが、これはやむにやまれず、そうしなくてはならない方位であります。その相違をよく見極めていくことが大切であります。北位の張り過ぎの場合は、これが判断の上で大切なポイントになっています。

この方位に蓋のような大きな建物があると、北をもって耳とするので、その耳をふさぐことになるので、聴覚障碍者のものを出します。

③北の欠けの場合

少し欠けた程度では、凶もまた少なくてすみますが、たくさん欠けてしまったのは大凶であります。しかしそれだけで判断することはやや危険ではあります。

ここは男子の位で、男子が悪い環境の中に育つので放蕩などが考えられ、また、寒い風にさらされることから、不具者が出ることがあります。また、盗みを働く不忠者、不孝社をだしやすくなります。ただし、大きく欠けていても、その裏側に大きな丘など山があれば、意味は違ってきます。

病気としては、神経衰弱、発狂、腎臓炎、糖尿病、神経痛、耳の病気、また反対側の南の意味が出てくるので、眼病も心配であります。

それから、訴訟難、水難、一時栄えるといえども、先祖の遺業を守ることができません。何事も長続きしません。困窮に陥り、女主人が家業を始める、親族不和となって、家人が道路で死ぬなどがあります。

北が欠けている上に、乾が大いに張るのも、親族に欺かれ、業を失う相であります。