ビタミンC

ビタミンC不足のシグナルの一つに、貧血症状があります。貧血といえば、鉄不足が一番に考えられますが、その鉄分の吸収を支えるビタミンCの不足でも貧血は起こります。ビタミンCをとると、鉄分の吸収が数倍になるといわれています。

貧血以外にもビタミンC 不足は様々な不具合を起こします。

ビタミンCには、細胞と細胞をつなぐコラーゲンをつくる働きがあります。不足しますと、しわが目立つようになったり、傷が治りにくくなったりします。

また、ビタミンCには、体内で活性酸素を消去して老化を防ぐ、高い抗酸化作用があります。東京都健康長寿医療センター研究所の報告でも、ビタミンC不測の状態でマウスを飼育したところ、急激に老化が進み、健康なマウスの4分の1の寿命しか生きられなかったといいます。つまり、ビタミンC不足が続けば、見た目も体内の老化も早まり、寿命が縮まる可能性があります。

そして、ビタミンCには免疫力を高める効果もあるので、不足すると風邪をひきやすくなり、肺炎やインフルエンザなどにもかかりやすくなります。その点でも、ビタミンC不足は長生きを妨げる可能性はあるでしょう。

一方で、人間は体内でビタミンCをつくることができません。さらに、ビタミンCは水溶性なので、たくさん摂取しても尿になって、体外に出してしまいます。ビタミンCはとりだめができないのです。そのため、毎日必要量、成人なら1日100㎎をとらないと不足してしまいます。

特に、スポーツをやる人や喫煙者、ストレスの多い人は、通常以上に酸素を必要とし、その結果体内の活性酸素が増えるため、意識的にビタミンCをとらなければいけません。

なお、ビタミンCは、加熱などでによって失われてしまうことが多い栄養素です。新鮮な野菜に多く含まれていますが、毎日野菜がとれない人はサプリメントで補ってもいいでしょう。ビタミンCは、摂り過ぎても体外に出るので、必要量を超えても問題はありません。

▽ビタミンCを多く含む食材

ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、豆苗、ゴーヤ。ケール、カボチャ。ジャガイモ、イチゴ、キウイ、オレンジなど

参考文献・引用・2020年・『放っておくとこわい症状大全』・ダイヤモンド社