地質とは何か?

▽地質とは何か?

地質(土質)は、家相学にとって大変重要なことであります。地質を大きく分けますと次の七つの項目になります。

①水気土質

水気土質というのは、だいたい下層部が粘土質で、上層部の土質に絶えず水気がある地質のことであります。その結果この土地は、湿気が多く冷えやすいということになります。

このような土質の土地はなるべく避けたほうがよく、どうしてもその場所に家を建てなければならない場合には、どのようにしたらいいかといいますと、床を高くし、床下の通風をよくし、水気を建物が吸収しないようにすればいいのであります。

②燥気土質

これは、水気土質とは反対で、下が粘土質でないために、水がどんどん浸み込んでしまって、絶えず水分がなく、土質が乾燥してしまっているのであります。乾燥しやすいので、埃っぽいが水はけはいいです。

③岩石土質

岩盤質になっている土地のことで、岩石が多いです。この土質にはどのような障害があるかといいますと、よい地気が上昇しにくいうえに大雨のときなど水害にあいやすいです。岩盤は水をすぐに吸収しないので、大雨のときなどはけ切れなくて、水は低いほう方へ流れていきます。この場合、坂の途中に家がありますと洪水などにあいます。岩石が50%以上のものが岩石盤、岩盤質といいます。

④粘土質

全体が軟らかく、上層部が粘土質で出来ている土地です。この場合は、水気の吸収が悪く、これも50%以上粘土があると、絶えず地上に水がたまるということになります。このために、雨の降ったときに非常に湿気が多く、よい天気の地気は非常に埃っぽいという、極端な現象が見られます。水気土質は、土の中に水気が含まれていて年中水気がある状態でありますが、粘土質と岩石の場合は、地中に水が溜まっていることは少ないです。これに対して粘土質の土地は、水気を上へも蒸発させますし、低いほうへも流れていきます。つまり、一時的に水気土質になったり、燥気土質になったりします。この土地に家を建てる場合には、水はけをよくすることが大切であります。

⑤砂土質

砂の土質であるので水の吸収が早いのと、地盤が軟らかいので傾きやすい心配があります。

50%以上砂地が含有されている地質を呼びます。この土質の土地の場合には、土台を大きくするとか、砂利を多くするとか、地盤を固めてから家をつくることにするといいでしょう。

⑥良土質

良い土質というのはどのような土地かといいますと、①~⑤以外の土質であります。結論的にいいますと、ある程度砂土があり、ある程度粘土があり、乾燥したり湿気が多すぎたりしない、暮らしやすい土質のことであります。

黒土とか赤土に分けますと、良土質は多少赤みがかったのがよく、ものが育ちやすいです。この土質を見分ける方法は、水気を好む植物と、水気を好まない植物と水気を適当に好む植物を探し、それらを一つの目安として判断するのがいいでしょう。

例えば、柳は水気を好む植物であるので、近くに柳が繁っている土地は、水気土質の疑いがあり、好ましくはないということになります。

また、植物がよく育つのには適度な水気のほかに、適度な炭素がある土地が必要であります。この炭素は、生命体のうえで重要な働きをしています。人間が病気にかかる一因は炭素が一定量より不足したときだとさえいわれています。

さらに植物に関することでありますが、人間のなかにも善い人間と悪い人間がいるように、植物のなかにもよいものと悪いものがあることを知っておいてください。このことを敷衍していきますと、相性というものは人間同士ばかりではなく、人間と植物にもあることが分かってきます。毒草や毒キノコの類は相性の悪い植物の代表的なものであります。

また植木でも置いて形のいいものと悪いものがあり、昔の人が〇〇の木はよいが✕✕の木は悪いなどといっていたのは、このような考え方からであります。現に毒草や毒キノコなど相性の悪い植物をそばに置けば、当然毒気にあてられるに相違ありません。

⑦荒土質

これは荒地という意味であるので、いろいろな条件的なものが加わります。例えば、廃土などごみ捨て場や廃土などが集積した土質などもそうであります。

昔は水気があって葦などが生えていたがそのまま腐敗物となって、土の中に放置されてしまった土地もあります。これらの土地は良土ではなくガスが発散しやすく、不毛の土地であります。

①~⑦の項目で総括しますと

1.住みよい条件として、まず、植物が育っていること。その植物も人間が生きていくうえで、必要な植物が元気に育っている土地なら良質ということといえます。

2.適当に乾燥して湿地でない土地。

3.草木が繁茂しすぎている土地は要注意です。大木などが繁茂すると、良い地気を全部吸い取ってしまうので最上とはいえません。家のそばに大きな木があると、根が張っているため、人間の住んでいる方へあがってくる地気は皆この大きな木の根に吸収されてしまいます。草木は、土の中に根を入れているので、地気を受けるのが速いです。よって、繁茂しているところは考えものであります。それと草木があまり多いと、逆に草木によって吸い寄せられた水気によって、湿気を生じることもあるので避けたほうがいいでしょう。