八種類の性格をもつ大気

▽八種類の性格をもつ大気

現代建築といわれている建物を見ると、間取りや形態など、実用一点張りにつくられていて、東西南北から吹いてくる大気については、全く無視した設計になっているものが多いです。風向きというものをほとんど考えていないようであります。

日当たりや風向きは大変常識的な問題でありますが、太陽の熱でも時期によって変化するものであるので、便利一点張りの家では、良い住まいとはいえません。もちろん便利で実用的という機能面を考えなくてよいということではありません。家の持つ色々の役割からすれば、実用性は三番目か四番目くらいで、大気については先ず考慮しなければならない重要な点であります。

要は家相としての空気の流れのポイントは、玄関、窓、トイレ、キッチン、風呂場、不浄場などに表れます。そういうものを全て自然の力と一致させるのは大問題ですが、どちらの方位が、どういう風向きになっているかということを知れば、それほど難しいものではありません。

大気、すなわち空気には、八種類の性格がありますが、これをもう少し方位的に分けて研究をします。これにはまず八方位について詳しい性格づけを学ぶことが必要です。

四正方位というのは、東西南北のことですが、その間に四隅位といって、東南、東北、西南、西北の各方位があります。そして、それぞれの方位から吹いてくる大気は全部性格が違います。立体的な家の南側と北側とでは、空気の温度が夏と冬ほど違うのであります。また、雪国に住んでいた人にはよく分かるかと思いますが、春になると北側は残雪の山だというのに、南側には雪ひとつなく、土が黒々として草さえも芽生えています。このような空気の変化に対して、人間は動植物より鈍感で肌には感じにくいです。

その他、朝日と西日の相違ということも考えていく必要があります。時間と方位、これを組み合わせて考えることが一番理想的なのであります。

大気の素質を見るために、八方位を四季に分けてみます。東は春、南は夏、西は秋、そして北が冬で、この四隅に土用がおかれます。

普段、土用といいますと、夏の土用しかないように思われますが、土用は四季の四隅に4つあります。

土用の期間は短く、約18日間です。南東を例にとれば、その両側が晩春と初夏で、それから南方を回って、晩夏と初秋となります。

それから、方位を1日の24時間に配分することも理解を助けます。東といったら、春の気が盛んで、1日の24時間でいえば、朝の気が盛んな方位だという具合であります。

さらに、十二支でも説明できます。360度を12等分すれば、一支はは30度になります。子、卯、午、酉の十二支が東西南北に配置されます。そして、月で分けますと、十二カ月で、十二支から始まります。時間では、一支が2時間であります。

例えば、土用を説明しますと、4月17日から5月4日までを春の土用、7月20日から8月6日までを夏の土用、10月21日から11月7日までを秋土用、1月17日から2月3日までを冬の土用であり、それぞれ18日間あり、1年に土用は全部で72日間あります。この土用といわれる時期が土気盛んな時期なのであります。