乾(北西)の張り欠け

▽乾(北西)の張り欠け

①乾の程よい張りの場合

程よく張りがあるのは、官禄に進み、財産、田畑に恵まれ、親族が多く、一家一統がしっかりしていて、家業が日々繁栄して、子孫の幸運が長く続く吉相であります。この方位を天門といいまして、その吉相は天の恵み、ほどこしを受けるものであります。

②乾の張り過ぎの場合

この方位が張り過ぎているときは、始めは富んでいても、後になって衰えてきます。主人は大変傲慢で、不法の行いをして、不忠不孝の子孫が出て、家名を汚すことになります。このような家相に住みますと、目上、公、父をないがしろにするばかりではなく、精神異常者、重度の精神薄弱、身体障害者をだすことがあります。主人は下女に淫し、妻女の嫉妬が強く、論争が絶えず、その結果妻が発狂する、神経衰弱、癌病となって死んでしまいます。

妻がおとなしければ、下女が妻を退けて、妻となります。また、遊女が家に来て、ずうずうしく妻におさまります。その理由は、主人が傲慢のため、世間や部下に使用を失くし、それによって家が衰え、破産するという、養子家相に由来します。

乾、北が大いに張っているのは、艮欠けとなって、長男が死亡するか、家出をします。妻が死亡し、再婚すれば後妻は長男を憎み、中男を可愛がるので、同じ結果になります。

③乾の欠けの場合

乾の方位を大いに欠けていると、先祖より伝わる家督から離れることになります。公、目上、父親に背き、本家をないがしろにします。公とか目上を天とみれば、天道に背くわけであります。父親を捨てて他郷を走り、父権が下がって、父親としての力が弱くなるので、目下や子供が不忠を働きます。女難、病難、水難、破産、論争を招き、富貴を長く保つことができなくなります。もし富貴があったとしても、代々主人は短命に終わります。それゆえ、女系家族となりやすいです。

眼病、視覚障害者に注意が必要です。その他、夫婦不和、再縁、死亡といったことから、異母兄弟の子が生まれる、妻が情夫をつくる、夫は淫婦にうつつを抜かす、破産、家の守りを失うことがあります。

張りの放蕩は、傲慢が原因となりますが、欠けの放蕩は気が弱くなり、淫婦に欺かれることが多いです。一応、玄武の守りが欠けているとみられますが、周囲の状況により判断が変わってきます。八方位の中心から、張り欠けを見たとき、極端に張り欠けになるのは良くありません。なかでも絶対にいけないのは、東と乾の欠けであります。女の方位の欠けは、多少は良いとされていますが、男の方位の欠けは、わずかでもいけないとされています。また未申は程よい張りでも避けたほうがよいです。