地理のいろいろ

▽地理のいろいろ

住まいの周囲の地理がどうなっているかを見るについては、産業の発達、交通の発達、山地、森林、平地、畑地、田地、水辺、あるいは土地が高台か、低い所か、傾斜しているか、そして道路がどうなっているか、坂道があるかなど、いろいろな点から考えていかなければいけません。

その条件によって、家の造り方、住まい方の工夫なども変わってくるからであります。

また、現在の状況だけでなく、以前は畑があったとか、森があったとか、水辺であったなど、またそれぞれの土地の生い立ちや、道路や街道などの発達状況をなども併せて検討することも大切であります。

①吉相土地とは

では、地理的に考えて、吉相とはどのようなものかを説明します。

地勢からいえば、北の方面が高く、南面が平坦に広がっているものが、四神相応の地で最良であります。

北の方に目立った山がなくても土地全体が傾斜して、南が低くなっているものもいいです。これは南を中心とした好大気が北を中心とした陰の大気を防いでくれるからであります。ただし、あまり傾斜の急な土地は問題であります。

また、東西の高低でいえば、西が高いほうがいいです。これは東の気と西の気とどちらがいいかを考えればすぐに分かるかと思います。東西が平坦に広がっているか、ゆるく傾斜していれば、それだけ東の好大気を多く取り入れることができるからであります。

広い平野の場合には、北に山があればよいといってもそれは簡単には望めないので、北面に樹木を植える、北面の壁を厚くするなども一つの方法があります。すべてが理想通りに行かなくても、四神相応に近づける努力は欲しいものであります。北側の冷気をどうしても防ぐ手立てが見つからないときは、北側の窓を必要以上に大きく造らないなどの最小限度の対策はいくらでもあります。

②凶相の土地

南を中心とした方位が高い土地で、北側が低くなっている土地は、四神相応の逆相で最も凶相であります。

高台は周囲を見下ろせるので、普通に考えると良いようであるが、高台は必ずしもよいとは限りません。南の方だけが低いのはいいのですが、八方を見下ろせるなどというのは、全くよくありません。

そんな土地に住んでいると、自分が高い所にいるという意識から、だんだん気位まで高くなってしまうのであります。そうした気分がこうじてきて、しまいには孤立無援の状態になってしまうので、大変な凶相であります。

これは共存共栄の社会の枠から外れることであるので避けなければいけません。そういう高台で生活していると、争いが多く、不備の災難にあって、子孫が永続しないという実例も多いのであります。永住する家を建てる土地としては不向きでありますが、一時的に世の中から逃れて住む別荘としては好適であります。

逆に四方の高いくぼんだ土地はどうでしょうか?このような土地は盆地の一種で、周囲のいろいろな条件が重なって、火災になりやすく、水害にも遭いやすいという結果が出てきます。

つまり、くぼんだ土地は水難と火難の相を備えている土地で、空気が乾燥して自然発火をしたり、降雨などで水が集まったりするのであります。ただし、大きな盆地の場合はこのような心配はなく、むしろ福禄が集まってくるといわれています。

それから、三愚の相といわれている土地がありますが、これは、①前が高く、後の低い家造り、②東南が高く、西北が低い、③北に流れのある土地のことであります。

このように悪条件がそろっている土地は、陰気を吸収する凶相であり、最もよくありません。